乗せてゆけ~ by 俊寛

【 paso a paso 3 2023/05/30 】
 巡礼第12日 乗せてゆけ~ by 俊寛

 「乗せてゆけ~」と、喜界島にひとり取り残された俊寛僧都の心境でした。ちょっとおおげさですかね。
 ヴィジャノーバ・デ・アロウサから、リアス式海岸の入り江の最奥部にあるポンテセシューレスまで30kmほどを乗合船で渡るはずでした。
 聖ヤコブ(サンティアゴ)の遺骸が小舟で運ばれたというルートです。
 ところが、アロウサことか乗合船の予約にミスがあって、乗船を拒否されたのです。

 アロウサの港です。向こうに観光案内所があり、乗合船もそこから発着します。

 まずは開いていたバルに入り、朝食です。クロワッサンとコーヒーを頼みましたが、お通しの小さなクロワッサンがついてきました。
 フォークはブスリと刺さったスペイン流です。

 船着場は閉まったままです。予約している10時半を待ちました。

 10時50分ごろになって、折り返しとなる乗合船がやってきました。

 わたしも乗り込もうとしましたが、ここでハプニングの発生でした。
 船から降りてきた船長が持っている予約客の一覧に、わたしの名前がなかったのです。「そんなはずはない。昨日、電話で予約した」と抗議しましたが、通りませんでした。「この便は定員いっぱいで乗せられない。あすにしてくれ」と。

 わたしだけを残して、乗合船は出航してゆきました。

 港の近くにある乗合船の事務所に行ってみました。でも無人でした。この事務所は前日から、この日もずーっと閉まったままでした。

 以下は、乗船予約を失敗した顛末です。
 乗合船のパンフレットは、前日に泊ったアルメンテイラのアルベルゲにも並んでいました。アルベルゲのアルバイトのようなホスピタレイロに予約してほしいと頼みました。でも「英語が通じるから、自分で電話したら」と断られました。つまずきの第一歩でした。
 アロウサに着いて前日の昼、この事務所の下で窓に書かれた番号に電話しました。お互いにつたない英語でのやり取りで「あすの10時30分」という予約は取れたつもりでした。
 「SNSメールを送るから」ということでしたが、わたしのスマホ(現地SIM使用)ではショートメッセージは受信したことがなかったので、メアドを伝えました。復唱してくれて確認もできました。それでわたしは安心していました。
 メールはきませんでした。そこで再確認すべきだったのです。

 乗合船は3社が運航しています。わたしが乗ったLa Barca del Peregrinoが最大手のようです。
 改めて看板に書かれているURL www.labarcadelperegrino.comにアクセスすると、予約ページが開きました。そこから航路、日時などを入力すると、簡単に予約は完了しました。最初から、電話ではなくこの予約サイトを使えばよかったのです。後の祭りでした。
 乗船バウチャーは、メールで送られてきました。料金は25€でした。 

 呆然としながら、バルに入って時間をつぶしました。

 あわててその夜に泊るオステルを予約しました。すでに予約していた2軒のアルベルゲは、日程を変更しました。

 チェックイン開始を待って、部屋に入りました。することもなく昼寝しました。

 何もない町でした。アロウサの印象は、あまりよくありません。見るべきところもありません。食べるべきレストランもありません。
 スーパー・メルカドはありました。

 何か食べるものはないかと、店内を見て回りました。

 パエージャやビールを買って帰りました。

 オステルのキッチンでチンしました。

 簡単にパエージャはでき上がりました。それなりにおいしかったです。

 この日は歩かなかったので、行程地図はありません。