賤ヶ岳・余呉湖

 JR米原駅。
 「ひかり」でやって来た鎌田と合流する。

 長浜を通過すると、東側の窓に伊吹山fが。
 頂上は雲に覆われているが、この青空。田んぼも白くなる。
 

 木ノ本駅に近づく。平和堂の看板の上が目指す賤ヶ岳のピーク。左の白い帯は観光リフト(現在は休止中)。

 北陸線のJR余呉駅に着く。
 ホームにも雪が積もっているが、この天気、この気温。いつものことながら、抜群の日和となった。

 余呉駅前。コンビニはもちろんのこと、開いている店は一軒もない。
 昼食の弁当を、米原駅で仕入れた人は大正解。

 登山口までの県道は融雪装置ため、雪は溶けている。

 登山口に足を踏み入れると、一気にこの状態に。

 踏み跡をトレースして、雪道を登る。
 「なに、この大股のうえ、120度も開いてるの。歩きにくい」と、先頭の足跡にブーイングも。

 ちょっとひと息。眼下に余呉湖が。

 大岩山の雪の林の中に中川清秀の墓。
 「大岩山は1583年に最初の賤ヶ岳合戦があった陣地で、柴田勝家の部下で尾山(金沢)城主佐久間盛政が大岩山の砦を奇襲する。この陣地を守る茨木(大阪)城主中川清秀が奮戦するも全員壮絶な最期を遂げた。この軍勢は柴田勝家の帰参の命に随わず戦勝に酔った。この報を知った豊臣秀吉は急遽大垣より駆け付け賤が岳の合戦となり、秀吉軍の大勝利となり柴田勝家滅亡の因となった」と、案内板に書かれている。

 「隊長」も参加してくれて、みんな安心。

 足跡ひとつない膝までの雪を歩く。

 自害した中川清秀の首を洗ったという「首洗い池」を通る。

 賤ヶ岳頂上に立った。見下ろす余呉湖がきれい。
 はるかに北国の山々。ここで羽柴秀吉と柴田勝家が対峙した。

 「七本槍」の武将、加藤清正にでもなった気分で。
 ちなみに七本槍とは、福島市松正則、加藤虎之助清正、加藤孫六郎嘉明、平野権平長泰、脇坂甚内安治、糟屋助左衛門武則、片桐助作且元。何人ご存じ?

 雪の頂上。積雪がもっとすごいのかと想像していたが…。

 木之本町方面を見下ろす。左手かなたに伊吹山。

 展望小屋で昼食にする。
 コーンスープとロイヤルミルクティーで体を温める。わずかながら、早くもアルコールを体内で燃焼させる人も。

 飯浦から奥琵琶湖ドライブウエーにかけての湖岸を見下ろす。琵琶湖一周の旅で歩いた道である。

 賤ヶ岳の頂上。
 われわれの他にはだれもいない。
 道中ですれ違ったのも、ほんの数組だった。

 「七本槍古戦場」の案内柱の前で記念撮影。今回も7人もが集合した。

 冬の湖上を悠々と舞う。
撮影はヒロタ画伯。
 

 はるかに竹生島が浮かぶ。右後方に比良の山並みが霞む。

 アイゼンを付けて一気に下山する。
 余呉湖と飯浦との分岐の峠。二人は一昨年秋、、この道を飯浦(左)に降りた。

 湖岸の国民宿舎前に降り立つ。雪道は終わり、ほっとひと息つく。

 早々とスパッツをはずしたサトウは、いつも先頭を切る早足で民宿へ急ぎ、、余呉駅のコインロッカーから荷物を回収してきてくれる。

 賤ヶ岳頂上を振り返りながら、湖岸を歩く。

 今夜の宿となる民宿「文右エ門」。築後数百年の古い民家を移築している。

 別棟のレストランで、さあ、宴会の始まり。

 民宿自慢のかも鍋。だしをいれて炊き、すき焼きのように醤油と砂糖で味付け、たまごに付けて食べる。

 これでかも一羽分。骨もすりつぶしたミンチや肝もついている。

 持ち込みのにごり酒、焼酎も加わって最高潮に。

 ビールは着いたが、バーボンはまだかいな?

 一階には立派ないろりがしつらえてある。夏の伊豆の民宿のように、ここで食事がしたかった。

 蓑傘でもない民具がつり下げられている。
 「阿多古」(愛宕神社?)のお守りも。

 最後は、昔の写真を眺めて、「やっぱり下野さんって、だれ?」っと、遅くまで。





 三階は資料館になっている。

 原と二人で4時半に起きだして、ヘッドライトをつけてわかさぎ釣りに。暗いうえに老眼ため(?)、仕掛けをセットするのに一苦労する。
 二人合わせた釣果はこの通り。50匹はいる。これでも、隣で釣っていたベテランの半分以下。

 お世話になった民宿をチェックアウト。

 二人の釣果に挑発され、みんなでわかさぎ釣りに挑戦することに。
 入場だけなら300円でよかった。

 餌のアカムシをつける。平気、平気!!

 ピクピクと竿が震えて引き上げると、釣れた!
 思わずにやり!!

 わたしも釣れました。
 ビギナースラック!

 暖かくなったせいか、食いは悪い。
 女性陣の健闘を横目に、5分ほど釣り糸を垂れただけでギブアップした人も。

 釣り竿持参のこの人も、手応えを感じる前にコーヒーを飲みに行ってしまう。



 野鳥が羽を休めている。
 正面が賤ヶ岳頂上。

 釣り客であふれている。

 釣り上げたわかさぎを尾頭付きで天ぷらにする。


 揚げたてにレモンをしぼり、できあがり。ちょっと衣がはずれているが、そんなこと気にしない。頭からかぶりつく。

 「うん、うまい」

 ママカリの干物を火にあぶる。これもいける。「まんま」はないが、酒のさかなにぴったり。

 立ったままでも、おいしく楽しい食事である。

 釣り上げたわかさぎは、7人の胃袋に収容された。ちょうどよい量だった。
 

 ちらほらと雪が降ってくる。



 余呉湖ともお別れ。

 余呉駅。3両編成の電車しか止まらないのに、ホームは延々と続いている。

 長浜で途中下車する。
 黒壁スクエアーは、冬だというのに観光客でにぎわっている。

 観光客に交じって歩く。おみやげは草餅というひとも。

 観光客ばかりの黒壁ガラス館前で、似つかわしくない一団が人通りを遮って記念撮影。

 おみやげのガラスを手にする。どれにしようか?
 この日はご主人の誕生日。鍋の用意は済ませてきたそうだが。



 長浜駅に「SL北びわこ号」がやってくる。

 C571、愛称「貴婦人」の前は記念撮影する人でいっぱい。

 ひとり旅の格好をつけて。

 わたしの帰途、長浜-山崎間のJR運賃は1450円。余呉まででも1600円ちょっとで、楽しい2日間をすごした。東京からきた人は、これほど手軽ではなかったが…。
 次回プランの提案もあった。