TANNOY再会(2) MonitorGOLDとご対面

 長引いた風邪の最後には、中耳炎になってしまいました。折角のTANNOYの音も、わたしの左耳の不調でうまく聞こえません。
 せめては目から確認しようと、初恋の君がまとっている服を脱がせました。
 スピーカーボックスの裏ブタを外すと、まぎれもないTANNOYのMonitorGOLDが姿を表しました。磁気回路のキャップが金色に塗装されているからGOLDです。

 裏ブタは10個の木ネジで固定されていました。Sフックを差し込んで引っ張ると、外れました。

 デュアルコンセントリックとは、同軸2ウェイ・スピーカーのTANNOYの呼び名です。ウーハー(低音部)の中心にツイーター(高音部)が配置されていて、音の位相が完全に一致するように作られているのが特徴です。
 TANNOYはわたしが生まれる以前の1948年からこの形式のスピーカーを作り続け、BLACK → SILVER → RED → GOLD → HPDとモデルチェンジしてきました。
 わたしはかつて、HPD295という3LZの後継モデルをもっていて、国産の大きなボックスにいれて永年、愛用していました。11年前に、現用のDALIのRoyalTowerというスピーカーに買い替えて、一度はさようならをした経緯がありました。

 コーン紙もエッジもなかなかきれいで安心しました。

 誇らしげに「TANNOY ENGLAND」と刻印(?)されています。

 シリアルもボックス裏面のタグに手書きされていたの一致しました。
 ただし2つの数字はフォントが違います。「3」の違いが明確です。

 鋳型は同一だったようで、同じ個所に同じ格好の盛り上がり傷がついていました。

 プラグを外すと、真っ白に変色していました。メスと両方、さび落としが必要です。

 ネットワークが固定された裏蓋には、どういうわけか黒い鉛筆で線が引かれていました。防音材の下にもまっすぐに伸びているので、製造工程で防音材固定の目印にしたのでしょうか。それにしては、ありあわせの木片かなにかを定規にしたような、雑な線引きです。これもまた英国製ということでしょうか。