神よ ウクライナをお守りください・・・

 神よ ウクライナをお守りください・・・
 そんな祈りが聴こえてきました。兵庫県立芸術文化センターの「東芝グランドコンサート2022」で、ピアノの反田恭平がアンコールで弾きました。
 「ショパンのラルゴ」として知ることになった聖歌「神よ、ポーランドをお守りください」変ホ長調(ショパンによるハーモニゼーション、遺作)です。反田が2位に輝いた昨秋のショパン・コンクール3次予選で初めて聴きました。
 それをきょう、弾いてくれました。3分もない静かに歌うような曲です。息を詰めて聴きました。ウクライナの叫びと重なりました。

 新型コロナウイルスの影響で予定されていたスペイン国立管弦楽団が来日できませんでした。
 反田が主宰するジャパン・ナショナル・オーケストラの代演でした。かえって良かったです。若くて瑞々しいハーモニーを響かせてくれました。ベルリンフィルの感動を思いだしたくらいです。
 ショパンのピアノ協奏曲第1番は、ショパン・コンクールでの演奏をYouTubeで何度も聴いていました。でも生はやはり違います。ちょっと長めの前奏に続いて冒頭の和音が鳴り響きました。そのすごさに圧倒されました。

 本来は別プログラムだったギタリストの村治佳織は、定番の「アランフェス協奏曲」(ロドリーゴ)を弾きました。持参したオペラグラスで、その美しさまでも鑑賞しました。
 マイクを握った村治が「東芝グランドコンサートの41年・・・」と話していました。そのプログラムには、東芝社長のあいさつのページに、社長交代を知らせるお断りがはさまれていました。

ラルゴ「神よ、ポーランドをお守りください」(反田恭平)