my camino=11日目 「星の旅人たち」の巡礼道を歩く 

 ベロラードの町を歩いていると、巡礼路の石畳にいくつもの足跡がレリーフになって埋め込まれていました。大きな手と足でした。だれだろうとかがみこむと、添えられたサインは「マーティン・シーン」と読めました。
 サンティアゴ巡礼をテーマにした米国映画「星の旅人たち」(原題は「THE WAY」)は、DVDを買って、何度も繰り返し見ました。
 米国西海岸の眼科医がゴルフ場でプレー中に、サンティアゴ・デ・コンポステーラへの巡礼に旅立った息子がピレネーで遭難死したことを知らされる場面から始まります。その眼科医である父親を演じていたのがマーティン・シーンです。
 その父親が、疎遠になっていた息子の自分探しの旅を追体験するようにカミーノを歩き始め、ストーリーは展開します。偶然出会った3人の男女が絡んで巡礼は続きます。「さあ、人生の旅に出かけよう!」というキャッチコピーがついています。

 映画で見たその人(シーン)の足跡と手形を見て、わたしもあの映画に出てきたカミーノを歩いているんだと、あたりまえのことに感動しました。
 わたしが最初にカミーノを知ったのは、通勤帰りの大阪・梅田の書店でたまたま手にした一冊の本でした。「世界遺産 サンティアゴ巡礼路の歩き方」(日本カミーノ・デ・サンティアゴ友の会、世界文化社)はグラビア満載です。カミーノのルートから歴史、体験談、巡礼の手引きまでが記されていますこれがきっかけで、わたしもいつかはカミーノを歩こうと思い立ったのです。
 カミーノの映画ではもう1本。「サンジャックの道」というのがのがあります。帰国後にレンタルビデオ店で探しました。こちらはフランス映画で、フランスのル・ピュイからサンジャン・ピエ・ド・ポーまでがメーンの舞台。遺産相続の条件として仲の悪い3兄弟がカミーノを歩く物語です。こちらのキャッチコピーは「人生ってすてたもんじゃない。」カミーノとは人生の縮図のようです。
 今ではわたしの本箱に、何冊ものサンティアゴ巡礼に関する本が並んでいます。