インスブルックからOeBB(オーストリア国鉄)の各停で東へ半時間ほど。イェンバッハという駅の隣のホームからアッヘンゼーバーン(アッヘンゼー鉄道)は走り始めます。アルプス山中の澄んだ湖へ、蒸気機関車で向かいます。
アッヘンゼー(アッヘン湖)まで7キロほどの区間に、19世紀末に製造された蒸気機関車が走っています。急こう配を登るラックレール式の蒸気機関車で定期運行されているものとしては世界最古だそうです。
130年も前に製造されたとは思えない蒸気機関車です。胴体のタンクが傾いているのは、急こう配でもタンクを水平に保つための工夫です。
急こう配を登るため、蒸気機関車は後部から押します。連結器が外れて、客車だけが坂を下ってしまうアクシデントがないようにしています。
汽笛一声、列車がスタートしました。おじいちゃんの車掌は、客車のステップを伝って検札に回ってきます。
シュッシュ、ポッポと白い煙を噴き上げ進みます。