神戸松蔭女子学院大学チャペルで、バッハ・コレギウム・ジャパン(BCJ)のカンタータ、「貧しき者は、食して満ち足り」を聴きました。
チケットを予約するのが遅かったので、「2階立見席」でした。ウィーン・オペラ座の天井桟敷の立見席のように、早くから並んで立ち位置にスカーフを巻いたりして場所を確保するのだろうかとか、興味津々でした。結果は、予約順に2階へ招かれ、そこには期待外の椅子が並んでました。ただ、椅子に座ったのでは、前の手すりが邪魔をして演奏者の顔が見えません。体力の許す限り立ち上がり、ちょっと休憩と座って聞くという素晴らしい席でした。
肝心の音は、1階席とはまるで違いました。たった1本のトランペットも、2本のリコーダーも、16人の合唱も、すべての音が見事にブレンドされ、熟成されて聞こえました。途中のMCのマイク音なんかは、悪く言えば風呂屋のカラオケのようでもありましたが、音楽は別物。おまけに演奏者の一挙手一投足までばっちりと観察することができました。
立見席のすぐ横が、パイプオルガンのコンソールです。ここにBCJ指揮者でオルガにストの鈴木雅明さんが座って、まずはバッハの「来たれ、聖霊」を演奏しました。
4段の鍵盤と足鍵盤を使って、演奏される様が目の前でした。低音が腹の底に響きます。左右に並んだノブ(ストッパーというらしい)を操作すると、音色ががらりと変わることも実感しました。
見上げると、大小、長短さまざまなパイプが林立しています。
1階で、天から降り注いでくる音色に包まれるのも素晴らしいですが、普段は聖歌隊が陣取る場所からの異体験でした。
素晴らしい響きを演出するチャペルです。
プログラムは、すべてバッハ。初めて聞くカンタータばかりでした。カウンター・テナーの青木洋也さんの出番も多く、ほとんど立ちっぱなしの2時間余でした。
バッハ・コレギウム・ジャパン
第230回神戸松蔭チャペルコンサート J.S.バッハ:教会カンタータシリーズVol.68
貧しき者は、食して満ち足り~三位一体後第一主日のカンタータ~
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