アナログ回帰 レコードの音 DENON DL-103

レコード

 フルトヴェングラーの「英雄」が聞きたくなり、LPに針を落としました。久しぶりに回り始めたターンテーブルは回転が安定せず、ウワン、ウーヮンと変な音を出しました。でも、しばらくすると懐かしい音を奏で始めました。

DL-103

 ゆっくり聞きたかったのですが、リビングのテレビに追われました。CDケースの隅にあったカートリッジ(レコード針)の箱を手に、パソコンの前に避難してきました。
 DENONのDL-103 です。
 「このDL-103はDENONが放送用として高性能、高信頼度を目標にNHK総合技術研究所と共同で開発したもので、NHKのFM放送をはじめ、民放各局において長期間にわたって採用されております」-と取扱説明書にあります。
 DENONはデンオンです。当時は日本コロムビアのブランドでしたが、前身は日本電気音響、だからデンオン(電音)です。それが、デノン(最近は社名変更でこう読ませています)ではねえ。

DL-103(2)

 なんと手書きの性能証明書まであります。
 ケースに張られた価格は19,800円。領収書には14,300円とあります。針だけの交換は不可能なムービング・コイルという構造ですが、古いカートリッジを持っていくと「針交換」の名目で5,000円ほど値引いてくれたものです。
 かつては1年か2年に1個は交換するほど愛用してました。でも取り扱いが楽なCDに軍配があがりました。
 この針の購入は93年11月19日。「これが最後だろう」と交換したのを思い出しました。