マルタ・アルゲリッヒに魅せられる

【LIVE】

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 旅の最終地は、ルツェルンでした。もちろん、お目当てはルツェルン音楽祭でした。選んだコンサートは、アバードの指揮ではなく、マルタ・アルゲリッヒのピアノ、シャルル・デュトワ指揮、ロイヤルフィルハーモニーです。
 2年前にも訪れる計画を立てながら、ネットではチケットが入手できずに終わった音楽祭です。今回は業者に頼みましたが、2階バルコン席しか確保できませんでした。それでも、旅の締めくくりは、すばらしい夜となりました。

 ネクタイ姿で早めに会場に行きました。ルツェルン駅の横にある近代的なホールです。想像していたよりこぶりでした。
 プログラムを購入すると、一枚のリーフレットがはさみ込まれています。演奏曲の変更です。予定されていたプロコフィエフのピアノ協奏曲1番がなくなってます。「アルゲリッヒ休演か!」と一瞬青くなりました。よくわからないドイツ語をなぞると、ラベルは演奏するらしいことでひと安心。舞台に登場してきたのは、白髪交じりの長髪に太い眉、真っ赤な唇のアルゲリッヒその人でした。

 ラベルのピアノ協奏曲は、無駄のない「巨匠」の風格の演奏でした。もっとバリバリ弾くのかと思いましたが、ちょっと予想外でした。席が後部だったせいもあるのでしょうか。アンコールで、ショパンも聴かせてくれました。ロイヤルフィルは、まろやかに熟成された、とけ込むようなハーモニーを響かせました。

 8泊10日の旅はあっという間に終わり、チューリッヒからアムステルダムを経由して、無事、水無瀬の自宅に戻りました。これから、ゆっくりと旅の思い出を書き連ねようと思います。 

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