伊勢参り その6 山の辺の道を桜井まで16キロ

 「ブエン・カミーノ!」と声をかけたくなるような光景でした。のどかな秋晴れの一日でした。
 歩いて伊勢参りのその6は、天理から山の辺の道を桜井まで歩きました。16キロほどありました。ほぼ平たん路とはいえ、久しぶりのロングウォークとなりました。
 スペインのサンティアゴ巡礼路を歩いているかのようでした。前にも後ろもハイカーが。そしてすれ違う人も。歩いていることの楽しさがあふれていました。

 大神(おおみわ)神社のご神体である三輪山に、きれいな秋雲がたなびいていました。

 大神神社に参りました。


 【2021/10/30 09:53】
 近鉄天理から商店街を抜けて20分ほど。天理教の教会本部を横目にします。

 【10:06】
 石上(いそのかみ)神宮が前回のゴールでした。ここから山の辺の道を南下します。

 山の辺の道は、前2回のちょっと地味な北ルートとは違って、こちらが人気のメーンルートです。

 内山永久寺跡は、案内板があるだけです。
 平安時代に創建され、40もの堂塔がありました。明治の廃仏毀釈で廃絶しました。

 排気ガスとは無縁の気持ちの良い道が続きます。

 眺望が開けると、向こうに二上山が臨めました。

 サクラですよね。

 秋桜ではなくて、秋に咲く桜でしょう。

 二上山がのぞけます。

 夜都伎(よとぎ)神社の拝殿は、珍しい萱葺です。

 この辺りには環濠集落が点在しています。

 西山塚古墳は、古墳時代後期の前方後円墳です。

 大きな灯篭が道案内です。

 念仏寺を横目にします。

 大和(おおやまと)神社は、日本で最古の神社だそうです。本殿はもう少し里の方にあり、ここは例祭の御旅所です。

 気持ちの良い道が続きます。

 柿本人麻呂の歌碑がありました。向こうが歌われている龍王山でしょう。

 あちこちに柿や野菜が並んでいました。

 卑弥呼の鏡といわれる三角縁神獣鏡が33面も出土したことで有名な黒塚古墳などがあるこのあたりは、「卑弥呼の里」とネーミングされています。

 【11:22】
 空海が開祖と伝わる長岳寺です。

 室町時代の書院造の地蔵院を拝観しました。美しい庭園です。

 本堂では、大地獄絵が開帳されていました。

 ここは、花の25カ寺の札所でした。
 忘れていましたが、2009年の秋に訪れていました。「長岳寺」の酔芙蓉に酔う

 カタバミでしょうか。道端にいっぱい咲いていました。

 天理市トレイルセンターという立派な施設です。洋食堂もありましたが、行列でした。

 崇神天皇陵です。大きすぎて全貌が見渡せません。

 秋桜(コスモス)が秋空に伸びています。

 こちらは景行天皇陵です。古墳が続きます。

 道に沿って苗を植えていました。おばさんに聞いてい見ると「菜の花です。春にまたお越しください」。

 大和三山の2座、畝傍と耳成でしょうか。

 纒向珠城宮(まきむくたまきのみや)は、垂仁天皇の営んだ宮とされ、野見宿禰(のみのすくね)と当麻蹴速(たいまのけはや)とが天皇の前で初めて相撲をとったとされ、相撲発祥の物語として知られています。
 でも、ここを通ったということは、山の辺の道のルートとはずれていました。

 景行天皇陵の濠に沿って歩きすぎて、ルートを間違えたことはあとで気づきました。
 誰と間合わない静かな農道を、方角だけを確認してのんびりと歩きました。

 見慣れない歴史街道の標識に出くわして、軌道修正しました。

 【12:48】 
 元伊勢と称される大神神社の摂社、檜原神社です。これで山の辺の道に戻りました。

 こちらもご神体は三輪山のようです。

 境内のベンチで大勢のハイカーが休憩していました。
 わたしも昼飯にしました。JR京都から近鉄に乗り換えるときに買ったドンクの「プティ・ミックスサンド」(450円)です。
 バーナーで湯を沸かす雰囲気でもないので、お茶でも買おうと入った茶店に缶がありました。それで十分です!

 バラエティー豊かなサンドイッチでした。

 大神神社の摂社の狭井神社までやって来ました。ここから三輪山に登ったことを思いだしました。

 【13:26】
 大神神社に到着です。大勢の人が参拝していました。

 さらに南下して平等寺を通り、伊勢本街道と交差するはずでした。ところが、ここでも道を誤り、立派すぎる天理教の前を通りました。
 調べてみると、この道が伊勢本街道でした。

 【14:02】
 後は惰性で桜井駅を目指しました。歩きながらスマホで列車ダイヤを確認すると、近鉄がすぐにやって来ることがわかりました。あわててホームに駆け上がりました。
 大和八木で京都行きに乗り換えて帰宅しました。