東山三十六峰 その1 粟田山から高台寺山、円山・・・

 東山三十六峯草木も冥る丑満刻、突如轟き渡る剣戟の響き…
 ホンモノの活弁は聞いたことはありませんが、そのセリフはなぜか耳に残る世代です。東には東山が連なる(西だと、井上章一の「京都ぎらい」です)京都で育ちました。
 その三十六峰はほぼ確定されていて、当然のことながらそれぞれにピークがあり、名前があることに、最近になって気づきました。ならば登るのには手ごろと、とりあえずはいわゆる東山の北の端の三条通から円山公園あたりまでを歩きました。
 26峰高台寺山、20峰粟田山。頂上にはそんな名札もぶら下がっていました。きょうは6座を「踏破」しましたが、プレートハントは2勝4敗でした。のんびりと三十六峰を巡ります。

 25峰東大谷山への登頂ルートを探して大谷祖廟の最上部まで上がってきました。振り返ると、林立する無数の墓の向こうに、京都市街が霞んでました。

 昼飯は、四条河原町まで戻り、久しぶりに餃子の「珉珉」で鉄板の「パオロー・イーガー、コーテル・リャンガー(爆羊肉1人前・餃子2人前)」をいただきました。


 【2022/04/22 10:24】
阪急-京都地下鉄と乗り継いで東山からスタートしました。すぐに白川を渡ります。

 向こうに最初の目的の山、粟田山が見えます。

 粟田口の粟田神社の前に、おなじみの京都一周トレイルの道標が建っています。何度も歩いたことがあるルートです。

 尊勝院まで登ってくると、北側の視界が開けます。咲き始めたツツジの向こうに、平安神宮の朱塗りの大鳥居です。

 前日の雨でぬれた静かな山道を左から登ってきました。右は都ホテル(現在はウエスティン都ホテル京都)に通じる道ですが、通行止めです。昔は、あたりはクマザサが生い茂っていました。

 そろそろ標高180mの粟田山かなと歩いていると、右の木の上に白いカードを見つけました。
 ブログで調べると、10数年前に設置されたデザインですが、健在でした。それにしては若木の枝で、ちょっと不自然でもあります。

 そのままトレイルの稜線を歩いて将軍塚青龍殿の大舞台の下までやってきました。このあたりに21峰華頂山があるはずでした。

 トレイルと別れてちょっと登る踏み跡をいきました。でも青龍殿のフェンスでした。
 トレイルに戻って、スマホで調べました。その結果、ピークは青龍殿敷地内らしいことがわかりました。

 春咲く花は黄色が多いです。クサノオウでしょうか。

 クサイチゴがあちこちに咲いています。

 【11:15】
 青龍殿は拝観料(500円)が必要です。三十六峰のうち、有料のピークはここだけだろうと入ってみました。

 京都市街が一望できる、広々とした大舞台です。
 何年か前の正月に孫娘たちとやって来たとき、テレビ番組の司会で知られたタレントと出会ったことがあります。

 このあたりで一番高い西展望台から見下ろします。手前の丸いのは将軍塚です。平安遷都の折、聖武天皇が築かせたものです。
 背後は、大文字山から比叡山に続く山々です。これから訪れることになります。1峰が比叡山です。

 早くもシャクナゲが開いてます。

 真っ赤なツツジです。

 青紅葉越しの枯山水も立派です。

 白いフジも花を垂れ始めていました。
 ゆっくりと拝見しました。でも探している華頂山のピークは見つかりませんでした。
 入場するときに係員に尋ねましたが、わからないということでした。

 上に見えるのが西展望台です。あのあたりにピークはあるはずなのですが。

 目の前のこんもりとした山が、26峰高台寺山のようです。

 

 見覚えがある分岐にやってきました。
 「京城勝覧を巡る 初一日 東山から大将軍へ」で、大谷祖廟から菊渓(きくたに)をつめて、ここまで登ってきました。

 「通り抜けできません」と表示のある踏み跡をたどります。

 ちょっと登ると、荒れたピークがあり、高台寺山の表示が残っていました。眺望はありませんでした。

 

 知恩院への道を下ります。途中に目印となる地蔵がありました。このあたりに23峰長楽寺山があります。

 白いものがぶら下がっているとのぞきこみましたが、山名表示ではありませんでした。

 あたりをうろうろしました。
 倒木にふさがれていますが、どうもこの下に踏み跡は続いているようです。

 道なき斜面を下るとフェンスに阻まれました。

 一度、地蔵のところまで引き返して、スマホで確認しました。
 先ほどの「通り抜けできません」という案内板のあたりが高台寺山であることを知って、再度、やって来ました。

 このスペースを長楽寺山としておきます。山頂名を示すようなものは、なにも見つけられませんでした。

 そこからフェンスに沿って急坂を下ります。ピンクのテープがついています。何らかの目印です。
 25峰東大谷山に通じるルートかと期待しましたが、足跡は消え、フェンスとも離れてしまったので、先に行くのは断念しました。
 

 歩いたことがある将軍塚道を下りました。

 円山公園の最上部です。料理旅館などが現れだしたあたりに安養院がありました。
 法然、親鸞両上人の念仏発祥の地、吉水の草庵があったところです。

 かつては七堂伽藍を有する大きな寺だったようですが、今は廃れています。
 山号の慈円山から円山と呼ばれるようになり、円山公園になったようです。ここを円山としておきます。

 

 下ってくると、長楽寺の参道です。向こうの山が長楽寺山でしょう。

 お隣は大谷祖廟の北門です。親鸞上人のご廟所です。

 墓地は、山道より急な階段の連続です。

 最上部の26区まで上がってきました。

 墓地の背後に回ってみると、ピンクのテープが垂れていました。ルートは見つかりませんでしたが、土が削られたような跡がありました。ここを這い上がれば東大谷山に行けるのかもしれません。
 よく調査して出直すことにしました。

 大谷祖廟から下ってくると、右手に双林寺があります。現在は確定された山がなく、この寺を24峰双林寺山としているようです。
 すぐ前に京料理人、村田吉弘さんの料亭菊乃井があります。ランチの店の前は、若い女性の行列でした。わたしも腹が空いてきたので、今回はここまでとしました。

 【13:17】
 八坂神社までやって来ました。修学旅行生らで結構なにぎわいを取り戻していました。

 四条河原町で見つけた珉珉四条店です。
 以前は路地をはいったところにありました。大きなガラス窓の下を高瀬川が流れて眺めもよくて、好きな店でした。それが四条通りに面した地下に移転していました。
 お味は同じといいたいところですが、餃子の味が微妙に変わったような・・・。

 珉珉 四条店
 050-5890-6042
 京都市下京区真町88 ユー・イットウ池善ビル B1F

 こちらのブログ「東山三十六峰」を参考にしました。

「東山三十六峰 その1 粟田山から高台寺山、円山・・・」への1件のフィードバック

  1. ご無沙汰しています。山歩きのブログ、時々拝見しています。お写真の腕、いつもながらお上手ですね。文章も!
    私はすっかり里山歩きから遠のいてしまっています。

    大谷祖廟、墓地の上まで行かれたのですね。実家の墓地が26区です。写真に写っている少し上の方です。先週、実家の母の七回忌でしたので、お墓参りに行ってきたところです。一番高いところから京都を眺めたいとのことで、26区にしたようです。確かに京都タワーも見えるので、子供の頃は何度も走って登っていましたが、だんだんしんどい年になってきました。

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