マドリード・チャルマルティン駅のホームで出発を待つrenfe(スペイン国鉄)の高速車両「Alvia」のS-730シリーズです。
動力車は先頭と後尾の各2両です。その間に6両のタルゴ型客車(1軸台車連接型客車)がはさまってます。
Preferende/1等の車内です。車両の幅が広いのに1+2列のシート配置でゆったりとしています。
「Alvia」は7月末、サンティアゴ・デ・コンポステーラ近郊で多数の死者を出す脱線転覆事故を起こしました。
わたしはそれ以前に、行きのマドリード~サリア間、帰りのサンティアゴ・デ・コンポステーラ~マドリード間のチケットを予約していました。事故は、運転士が規定無視の高速でカーブに突っ込んだ人為的なものでした。これで、かえって安全運転が徹底されることを信じて乗車しました。
S-730シリーズは、電化・非電化区間を停車することなく走行できます。
先頭はEL(電気機関車)、2両目はディーゼル発電機を積んだ電源車です。非電化区間は、この自家発電で走行するのです。
発車すると、紫色のケースを配ってくれました。何だろうと開けるとヘッドフォンでした。座席横にプラグがあり、音楽を楽しむことができます。
ネット予約してプリントアウトした乗車券です。ホームに改札があり、QRコードがチェックされました。
早期割引のため30EURしませんでした。通常なら70EU近くします。こんな割引があるから、Preferende/1等を奮発してました。
ビュフェ車両もつながってます。
行きは退屈しのぎにコーヒーを飲みました。
帰りは、昼飯を食べていなかったので、一番簡単な「snack」(5EUR)にしました。
缶ビールとポテトチップスとビーフジャーキーのような味のスナックでした。
車内のシート配置です。左はTurista/2等で、2+2の配置です。
車両間のドアです。右の丸い印を押して開けようとしましたが、動きません。困っていると、横に座っていた婦人が、おもむろに握っていたペンで左上のくぼみ部分を上下させました。光センサーが仕込まれていたのです。
スペイン国鉄の在来線は広軌です。戦争になった時に、標準軌(日本の新幹線と同じ)の隣国から攻め込まれないようにわざわざ広軌を選択したそうです。一方、最近の高速新線は標準軌で建設されています。
S-730シリーズは、この幅の違うレールの上を、軌間を変えて走ります。
走行中に、駅でもないのに低速走行になった部分がありました。そこが軌間変更区間でした。それを示す標識がありましたが、一瞬のことで撮影するのは失敗しました。
短いタルゴ型車両は、連接部分に1軸の車輪があります。ステアリング機能がある左右独立車輪です。さらに軌間変更機能がついているので、床下では収納しきれないようです。
帰りの列車は、2編成がドッキングされてました。