レコード・プレーヤーの再生 DENON DP-75

 「ヤフオク(ヤフー・オークション)」をブラついていて、競ってしまいました。DENON(デンオン)のターン・テーブル、DP-75です。レコードを一定数で回転させる台のことです。
 1年前に同じDENONのDP-3000という機種をゲットして修理し、機嫌よく回っています。わたしの学生時代の1972年に発売された、ダイレクト・ドライブの名機です。それをグレードアップさせました。
 DP-75は10年ほど後に生まれた、発売当初の定価も1.5倍ほどするハイグレード機です。クオーツという水晶発振子を利用して安定した回転を確保しています。「SEIKO QUARTZ」の登場で、腕時計の正確さが飛躍的に向上したのと同じです。といっても、発売から30年近くたっており、回転数が安定しないという「ジャンク品」(それだけに格安)でした。

 さっそく分解して、故障の原因となっているであろう電気部品の修理にとりかかりました。
 サーボコントロール、クオーツサーボ、パワーサプライの3つのユニットに分かれてプリント基板に組み込まれています。
 DENONのターンテーブルの不調は、ほとんどが使われているトランジスタ、2SC458の劣化です。サーボコントロール基板に使われている2SC458も、3本足が教科書通りに黒く錆を吹いているようでした。7本すべてと手に入った2SD648の2本も新品と交換しました。
 さらに基板上の電解コンデンサーも、同容量、同耐圧のものと交換しました。
 クオーツサーボ基板にも同じ2SC458は使われてますが、モデルチェンジした後期型できれいでした。今回はこの基板には手を加えませんでした。

 テスト回転させると、安定して回ってくれました。
 テストポイントから信号を取り出して、オシロスコープで計測してみましたが、規定値通りで調整の必要はありませんでした。

 スマホのアプリで回転数をチェックしました。安定して33.3rpmで回転していました。

 最後は、アームとともにケースに収まっているターンテーブルの交換です。3つの木ネジで固定されているだけです。古いDP-3000は、簡単に取り外せました。
 DP-75も、同じDENONの弟分です。取付サイズは同じ。木ネジの場所まで一致して、わずか5分ほどで換装は終わりました。

 肝心の聴き比べです。中低音ががっしりと締まり、それにつれて高音も一層、冴えわたるようになった気がします。それなりの手間と出費をしたというバイアスもかかった評価でもあります。

 これまでのレコード・プレーヤーの再生