京都五山の送り火で「左大文字」が灯される大文字山(231m)に登りました。東山の大文字山(465.3m)と同じ名前です。ところが、登山となるとあちらほどにはポピュラーではありません。そうとは知らずに、軽い気持ちで登った裏山のハズでした。思わぬトラブルの続発でした。
それはともかく送り火の火床からの眺めは最高でした。正面の山肌が三角形のところに「大」がくっきりと見えました。
左大文字の火床がある大文字山の斜面は、管理している左大文字保存会が入山を規制しています。
このゲートは下山後に通りました。「大」の字の左の流れから下ってきたところですが、ここから登ることはできません。わたしが歩いたように反時計回りに山道をぐるっと回り道する必要があるのです。
テレビ番組で、ここから松明を背負って送り火の火床へ登る若者のシーンがあったのを覚えています。ここから登れるのだと思っていました。
下山後は、ブラブラと西陣あたりを歩いて、千本丸太町の角にあったラーメン屋までやって来ました。午後2時を回って、やっと昼飯にありつきました。
【2020/10/21 10:05】
阪急・西院から京都市バスに乗り継いで金閣寺道で下車しました。これから登る大文字山はすぐそこです。
金閣寺の舎利殿は杮葺(こけらぶき)屋根の修復中で、覆いがかぶせられていて見ることはできません。それでも観光客はいるようです。
金閣寺の土塀を右手に進みます。
双ヶ岡・成就山・衣笠山を「登頂」したときは、この左から出てきました。
【10:25】
原谷に通じる氷室道から右折して管理道路を進んできました。
山道になりましたが、踏み跡はしっかりとしています。
右手に見えるのが大文字山でしょう。
樹木の間から金閣寺の辺りが見えます。
ドングリの実がたくさん落ちていました。
標識はほとんどありませんが、ここには大文字山への右折を教えてくれるプレートがありました。
【10:48】
大文字山に登頂です。金閣寺からは苦もなく45分ほどでした。眺望はありません。
三角点もない頂上に、1枚だけのプレートです。
「NEICEL萬寿」って何? 関西のあちこちの山にこのプレートがあるようです。
《トラブル その1》
火床まで下って休憩にするかと、そのまままっすぐ南西の道を下りました。最初はしっかりとした踏み跡がありました。それも怪しくなりましたが、ピンクのテープが続いていました。
踏み跡は消えて、道を誤ったことが明らかになりました。それでも進むと、鉄条網のフェンスに突き当たりました。
ギブアップしてやって来た道を戻りました。
再び大文字山頂上です。今度は左の道を下りました。
【11:11】
子どもたちの声がしてきました。幼稚園児(?)がたくさん登ってきていました。
左大文字の最上部です。
左大文字の火床です。東山と比べるとかなり小型です。この上に松の割木を井桁に積み重ねて点火するそうです。
比叡山が臨めます。五山の「妙」と「法」もよくわかります。
《トラブル その2》
火床のもっと下を見ようと進みました。そのとき、白い上着の男性に呼び止められました。
「どこから来たのですか?」、「大文字山の頂上から」。「ではそちらから帰ってください」。
何のことかと聞くと、火床周辺は個人所有で許可がなくては立ち入れないそうです。大文字山の頂上辺りは国有地だから問題ないそうです。
で、火床の見学はここまで。諦めて元の道を戻りました。
子どもたちは許可を得て登ってきたのです。男性はその付き添いだったようです。
【11:33】
3度目の大文字山頂上を通り抜け、プレートの分岐から先に進みました。尾根伝いに「兀山(ごつやま)」まで来てしまいました。「兀」って漢字、知りませんでしたが、パソコンは変換してくれました。高いという意味だそうです。
《トラブル その3》
地図上には左右に分岐するルートが記されています。東に下ればしょうざん、反対は原谷です。でも見つかりませんでした。
【11:44】
《トラブル その4》
道を戻り、大文字山への分岐を通り過ぎたところにある地図上のもう1本のルートを下りました。
ここも最初のうちはしっかりとした踏み跡があったのに、消えました。ピンクのテープがここでも目印でした。
やがてテープも見失いました。道なき道を、GPSだけを頼りに下りました。
【12:13】
《トラブル その5》
谷底まで下り平坦となってつかの間です。十字架が並ぶ墓地が現れました。しっかりとしたフェンスで囲まれています。
谷には、進むルートがありません。
フェンスの右側にそって山際を進むと、別のフェンスが現れてそこまで。
墓地に入るフェンスは無情にもロックされていました。
諦めて反対の左側ルートを探索しました。これもダメでした。
【12:45】
その後の経過はちょっと書けません。
参っておられた信者さんに無断侵入の詫びをいれてカトリック衣笠墓苑を抜けることができました。
西大路と北大路のコーナーまで出てきました。左大文字はまっすぐに下ればすぐのハズでした。
たっぷりと汗をかきました。冷たいビールつきのラーメンが食べたいと、鞍馬口通をブラブラと歩きました。
風情のあるアート関係のショップが並ぶ長屋です。
向こうが船岡山です。最初の計画では、そちらも登るはずでした。
この辺りの産院でわたしの息子は生まれました。
船岡温泉は、大正・昭和の趣を色濃く残した銭湯です。まだ営業してませんでした。
築80年の銭湯をリノベーションしたカフェ「さらさ」です。
[追記] 今夜の「所さん!大変ですよ」(NHK)で、こちらのマジョルカ・タイルが紹介されていました。
【14:07】
《トラブル その6》
トラブルというほどのこともありませんが、ラーメンを求めてさまよいました。
鞍馬口-大宮-今出川-千本と歩いて丸太町までやって来たとき、向こうの角にしゃれた店がありました。「醍ぶ(だいぶ)」です。念願のラーメン店でした。
「銀朱」(800円)です。すっきりとした透明な白湯に、ちょっと甘い醤油味です。腰のある麺が食べ応えあります。
とりあえずは「黒ラベル」です。しみわたります。
醍ぶ (DIVE)
075-366-6838
京都市中京区聚楽廻東町2-9 1F
【14:38】
千本通を下りJR二条でゴールとしました。
赤字の「大」は、わたしが書き入れたもので、正確ではありません。
大文字山から火床までのルートは、GPSが不調で記録されてませんでした。
トラブル編がありとても面白く考えさせられました。トラブルがあるとその瞬間人間の心は乱れるそうで、乱れず心が落ち着いていると、不安や恐れもなく、平然と今を生きる、それが清らかで穏やかな悟り人とお釈迦様は説かれていました。
そのことを思い出しました。有難う御座いました。
森井さん
トラブルの時こそ、平常心で!! なかなか難しいですね。
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