京都・京阪三条 篠田屋の皿盛

 「木製仁丹看板」を追って京都の町を歩きました。ゴールは三条京阪に近かったので、迷うことなく篠田屋の皿盛にしました。
 百年食堂です。百年一日とはいいませんが、店の趣は変わっていません。ちょっと値上がりはしてますが。
 ペラペラだけれどパリパリのカツに、トロリとした「カレーうどんの出汁」がかかっています。カツカレーでもカレーうどんでもありません。ここだけでしか食べられないお味です。
 さすがにビールは小瓶でちょうどです。 

 「品は高田で 値は安兵衛」。いつからあるのか、そんなことばが柱の上に張ってあります(右上は拡大)。この店の営業モットーのようです。
 客が途切れたタイミングで撮影しました。

 この日の一番人気は中華そば、そして皿盛。にしんそばを頼んだ客もいました。

 篠田屋
 075-752-0296
 京都市東山区三条通大橋東入大橋町111

 三条通りをはさんで筋向かいの肉屋さんは、遂に取り壊しとなったようです。一帯の再開発が進むようで、その一環でしょうか。

 京都・三条京阪 「篠田屋」の皿盛

映画「ピアノ フォルテ」とショパンコンクール

 ピアノのショパンコンクールがいま、ワルシャワで開かれています。2次予選が始まったタイミングで上映中の「ピアノ フォルテ」を京都・四条烏丸のCOCON KARASUMAにある京都シネマで観ました。
 反田恭平が2位に選ばれた4年前のコンクールを追ったポーランド製作(2023年)のドキュメンタリー映画です。鳴り続けるショパンのピアノ曲をバックに、人生を賭けた緊張と栄光の舞台裏が描かれます。
 スポットライトが当たっているのは、ロシア、イタリア、中国などのコンテスタントが数人だけ。まるで親子か恋人かのような師弟や、怖~い先生に従う17歳、地元・ポーランドの期待を集めながら緊張に押しつぶされて途中棄権する若者と、ステージはくるくると回りました。そして勝者がー。

 ところが、日本人ファンとしては緊迫の瞬間を置い続けるカメラ・カットにがっかり。「セカンド・プライズ ショウヘイ・ソリタ」と発表されるシーンに、肝心の反田くんの表情はありませんでした。4位の小林愛実もさっと映っただけ。2人がいつ出てくるかと固唾を飲んでいた身には、なんとも肩透かしなエンディングでした。それでも客席からは見えない(行ったことはありませんが)リアルな人間ドラマに引き込まれました。

 わが家のテレビは、今夜もYouTubeからピアノの音を流し続けています。

京都・修学院 「山道具とごはん 麓_ROKU」の今日の御飯

 3ヵ月ごとの京都府立医大病院での検査でした。異常はなく、ちょっと遅い昼飯です。修学院まで車を走らせて、比叡山の麓、雲母坂(きららざか)に近い「山道具とごはん 麓_ROKU」で「今日の御飯」(1980円)をいただきました。
 「大原産のゴーヤの肉巻きてりやきソース」がメーンです。動物性はこれとだし巻きだけで、あとはビーガンでもOKな10種以上の野菜が並びます。
 お猪口くらいの小皿に、冬瓜やジュレをまとった青菜、ビーツ、オランダ豆、ズッキーニ、オクラ、キャロットラペ、マヨネーズは使っていないマッシュポテトとちまちまと並んでいます。どれも自然のおいしさを競っています。雑穀入りごはんと、タマネギに葉野菜が浮いたみそ汁とともに味わいながらいただきました。
 イチジクはちょっと苦手な果物ですが、これまで甘くてペロリでした。

 カウンターに4人、2人掛けテーブルが3卓だけのかわいい山小屋風のスペースです。

 ザックや登山用のアイテムが並んでいます。大手メーカーのブランド品ではないようです。
 山好きのご夫婦の店らしく、グッズの紹介からガイドツアーもされているようです。

 懐かしい京都北山などのエリアマップが飾られていました。YAMAPなどのネットアプリの普及で使う機会が減ってしましました。

 気になっていた本も並んでいました。

 路地の入口に、かわいい看板があります。

 山道具とごはん 麓
 090-2198-0898 
 京都市左京区修学院茶屋ノ前町15-25

 正面に比叡山がそびえます。川の上流が比叡山への登山路となる雲母坂です。

宮津・伊根 醤食堂の「ソーダがつおタタキ丼」

 舞鶴にある奥さまの実家の墓掃除に出かけました。昼飯は、天橋立を走り抜けて伊根に近い海辺にある「醤(ひしお)食堂」まで行きました。
 「きょの大将のお勧めです」といわれれば、外すわけにはいきません。名物の海鮮丼も気になりましたが、「ソーダがつおタタキ丼」です。
 丼一面を覆い尽くしています。だし醤油(?)をかけ回していただきます。

 ああ、旨い魚に出会うことができました!! 雨の中をはらばるやって来たかいがありました。まさしく感激ものです。

 ごはんはたっぷりと沈み込んでいました。ペロリと平らげました。

 みそ汁もていねいに作られています。揚げは炙って焦げ目がついています。味噌に酒の粕も混ざっているようでした。温かなのがうれしかったです。

 「500円均一」という一品から「ミシマオコゼのカマ唐揚」です。パリッとした骨までかぶりつきました。

 奥さまが頼んだ「お造り定食」(2000円)です。おしゃれな8種盛りです。それぞれが味を競っています。海鮮丼は、これが丼になるようでした。

 ソーダがつおには、「さっきまで泳いでいた」との説明付きです。

 客の入れ替わりでガラッとしたタイミングです。
 土砂降りの雨の中を、車の中で半時間以上も待ちました。

 毎回、楽しみに見ている「おやじ京都呑み」(KBS京都テレビ)で、角野卓造さんと近藤芳正さんがおいしそうに食べてました。それで知りました。

 醤食堂
 0772-47-9933
 宮津市字長江945

 店を出ると、雨は上がってました。前の海岸をウミネコがうめつくしていました。向こうが天橋立です。

 何かに驚いたのか、一斉に飛び立ちました。

京都・御幸町六角 「百年蕎麦 壽」の九条ねぎ醤油

 京都・錦市場からちょこっと歩いたところ。御幸町六角を下ったビル1階にオープンして2週間の「百年蕎麦 壽」がありました。
 「立ち飲み蕎麦」という新しいジャンルの店です。カウンターに立ったままの駅そばのスタイルです。
 いただいたのは「インスパイア系つけ蕎麦」の3種の中から「黒 九条ねぎ醤油」(850円)です。2盛りとボリュームたっぷりの、ちょっと黒いボソッとしたそばです。
 甘辛い醤油ベースの温かいつけダレでいただきます。中華のつけ麺のようでもありますが、間違いなくそばです。うまいです。 

 赤星でひと息ついていただきました。駅そばのように慌ただしくはありません。

 立ち食いも初めてという奥さまはシンプルに「京山椒もり」(850円)です。こちらはのどごしの良いそばです。

 生の山椒の実が添えられていました。

 もう一品。「九条ネギ餅」(490円)なるものを頼んでみました。パイ生地に九条ネギを練り込んで、ピザのように焼いているようです。
 こんなのを横に一杯というのも素敵です。

 百年蕎麦というのは、創業大正9(1920)年の福本製麺とのコラボだそうです。

 他にもあてにぴったりの一品メニューがあります。

 酒類は向こうの冷蔵庫からセルフで選べます。

 わたしは清酒はあまり飲みませんから、ほとんどが知らない銘柄です。

 百年蕎麦 壽
 京都市中京区御幸町通六角下ル伊勢屋町352

 このときも「有次」で包丁を買っての帰りでした。四半世紀前に二代目包丁を買った後に、麩屋町三条上ルの「晦庵 河道屋」でそばを食べていました。ホームページを調べていてわかりました。包丁とそばが重なる不思議な偶然でした。

京都・新京極 京極スタンドのきずし

 祇園祭後祭の山鉾巡行を、汗だくになって見物しました。干上がった体に水分補給のため、混雑する河原町は避けて木屋町経由で新京極の「京極スタンド」に直行しました。
 ほどよく酢が効いたきずし(しめ鯖)でほっとしました。ピリ辛きゅうりもあてにしてますが、デジカメの絞り設定がズレていて、うまく写っていませんでした。そんなことには気がいってなかったようです。

 ここの中ジョッキは、昔風でそこその容量があります。最近の「生中」って、どんどんグラスが小さくなっているような⋯。

 着いたのは開店10分前でした。2番目に並んで待ちました。

 順番に招き入れられたときには、まだガラガラでした。

 スタンド(文字は右から)の独特の伝票です。

 出るときはご覧の通り「大入」です。

 店の前にも「満席」と表示されていました。
 ちょうど10年前にも後祭の後にやってきてます。
 これまでの京極スタンド

 京極スタンド
 075-221-4156
 京都市中京区新京極通四条上ル中之町546

京都市立芸術大 サグラダ・ファミリアの「歌う天使たち」

 バルセロナのサグラダ・ファミリアの彫刻家、外尾悦郎さんが生誕の門のファザードにつくった「歌う天使たち」の原型模型像が、母校の京都市立芸術大学に寄贈され、常設展示されています。
 テレビ番組「サンドウィッチマン&芦田愛菜の博士ちゃん」のサグラダ・ファミリア特番にも外尾さんは登場して、「ガウディの見ている方向を向いて⋯」と話していました。その天使たちに会いにいきました。

 9体の天使たちです。それぞれが等身大か、それ以上の大きさです。

 そっと語りかけているような。

 愛くるしくて明るい笑顔です。

 像の内部は空洞です。
 石膏で作られたモデルですが、2000年に砂岩で制作された石像と置き換えられるまでの10年間は、実際に設置されていました。

 アンサンブルホールへ降りる階段脇に設置されています。 

 カミーノ巡礼の後に訪れたサグラダ・ファミリア(2016年)では、生誕の門で楽器を奏でる6体とともに足下のキリストを見守る石像を目にしました。

【博士ちゃん】芦田愛菜×彫刻家 外尾悦郎インタビュー 完全版

光の洪水に圧倒されたサグラダ・ファミリア

Paso a paso Dos エピ3=10/3 バルセロナの光と色と

 佐川美術館(滋賀・守山)で2023年に開かれた「ガウディとサグラダ・ファミリア展」にも出展されていました。わたしはガウディの「コローニア・グエル教会堂、逆さ吊り実験」などに目がいっていたようで、あまり記憶がありません。

滋賀・守山 佐川美術館ミュージアムカフェの比叡とろ湯葉そば

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京都・岡崎 エーデッガー・タックスのツィラタール

 京都・岡崎の京都国立近代美術館で「若きポーランド」を見ました。疏水端を歩き「ホーフベッカライ エーデッガー・タックス 京都店」でランチにしました。オーストリア・ハプスブルク王家御用達のベーカリー直伝のパンを味わいました。
 シンプルにクロワッサン(385円)とプレッツェル(275円)です。
 小麦の味が素晴らしいです。プレッツェルの塩味とパリッと焼けた細い部分がサイコーです。 

 京都は猛暑日となった暑さでした。よく冷えたビールがたまりませんでした。
 オーストリア産のツィラタール・ピルスです。スッキリとした軽い飲み味です。

 チロル地方にある創業1500年という古い醸造所で作られています。

 奥さまは白ブドウスパークリングです。味見しましたが、ちょっと甘くてスッキリとしていました。

 ショーケースをのぞき込んでオーダー。店内はいっぱいだったので、テラスでいただきました。

 テラス席は時おり、涼しい風も吹き抜けました。でもこれからは長時間は無理ですね。

 塀にハプスブルク家の紋章、双頭の鷲をデザインしたパネルが掛かっています。

 こちらがオリジナルです。
 オーストリア第2の世界遺産の街、グラーツにあるホーフベッカライ エーデッガー・タックスです。ここの秘伝のレシピを伝授されています。

 グラーツは2010年と19年(写真)に訪れました。

京都・聖護院 「西尾八ッ橋の里」のカレーうどん

 京都の医大病院で3ヵ月に1回の定期検診を受けました。今回も腫瘍マーカー値に異常はありませんでした。ちょっと遅くなっての昼飯でした。
 ネットで駐車場ありと調べていた聖護院の「西尾八ッ橋の里」です。本家西尾八ッ橋本店の東隣にある邸宅が「お食事処・甘味処」となっています。
 映えもバッチリな「カレーうどん」(1600円)です。細い麺に鶏の煮込み、素揚げの野菜とゆで卵がトッピングされています。

 よく和出汁が効いた、辛さ程々のカレーです。

 別皿で牛肉のしぐれ煮が添えられていました。うどんに入れるのかとも思いましたが、箸休めにいただきました。甘い肉がカレーの甘さを引き立ててくれました。

 八ッ橋がついてきました。ニッキ味の懐かしい味でした。

 奥さまは「山椒鶏みそうどん」でした。京風のみそ出汁にサンショウがよく効いていたそうです。

 栗きんとんやお汁粉なんかもあるようです。

 庭の見える大広間でいただきました。時間が遅かったので、他にはカップルひと組がいただけ。広い店内はガラガラでした。

 食事後、縁側に座って気持ちよく吹き抜ける風を楽しみました。

 庭の中央には大きな池があります。

 庭を散歩してみました。木橋はなるほど、八ッ橋を模しています。

 かきつばたは、すでに花が終わり、穂を膨らませていました。

 1919(大正8)年に京都の学識者であり財界人の邸宅として建てられた数寄屋造りです。後に東芝の役員専用保養所となり、2013年に現在の格好でオープンしました。

 隣の西尾八ッ橋本店でみやげを買いました。
 この店の対面には聖護院八ツ橋の総本店があります。

 向こうが西尾八ッ橋の里です。

 西尾八ッ橋の里
 075-752-2188
 京都市左京区聖護院西町6

京都駅前 「立呑処 へそ」で串カツ5本盛

 天智山など天皇の名を冠した山を登っての帰り道です。JR京都で途中下車して、ちょっと遅くなった昼飯兼ちょっと一杯でした。烏丸七条の角から東に入った「立呑・座呑・外呑処 新橋へそ 京都駅前本店」です。
 とりあえずの生! とともに頼んだ串カツ5本盛です。串まで赤い紅ショウガなんかが、どれもパリッと揚がっていました。
 最初は店内の立ち飲みでした。ひと息ついて外を見ると、テーブル席がガラガラでした。「代わっていい?」。山を歩いた後だけに、座りたかったのです。

 ビルの谷間の日陰に、気持ちよい風が吹き抜けます。向こうには東本願寺の大屋根も見えます。
 通り過ぎる人たちを眺めながら飲みました。半分は外国人です。

 最初に出てきたのはもろきゅうでした。

 続いて冷奴です。

 2杯目はグラスが違いますが、角のハイボールでした。

 もう少しと名物の大判コロッケです。肉屋のコロッケっといいながら、ジャガイモばかりですがこれがうまいです。

 いつのまにか周りは外国人ばかりが目に付くようになってました。

 東京・新橋に本店があるようです。

 立呑・座呑・外呑処 新橋へそ 京都駅前本店
 050-5571-2077
 京都市下京区七条通烏丸東入真苧屋町203