わたしのみやげ アンペルマンの毛糸帽子

 アンペルマンは、旧東ドイツで使われていた歩行者用信号の「止まれ(赤)」「進め(緑)」のシンボル・デザインです。親しみやすいデザインから東西統一後も生き残り、ベルリンの歩行者用信号のほとんどがこれです。
 アンペルマンが描かれたグッズは、ステッカーやマグカップなど600種にのぼり、ベルリンみやげになっています。
 ハッケシャー・マルクトのハッケシャー・ヘーフェにはショップがあります。見ていると毛糸帽子が欲しくなりました。 

 これで冬の山に行っても、頭を守ってくれるでしょう。
 キャップは蒸気機関車で行ったアッヘン湖岸の町、ペルティサウのみやげ物屋で買いました。チロル州紋章の鷲がデザインされています。

 見ているだけで楽しくなるグッズが並びます。

 ハッケシャー・ヘーフェは駅前の集合住宅の中庭と1階部分を結んで開発された人気の商店街です。
 このカバン屋では、前回はまだ現役勤務だったので、通勤用にショルダーバッグを買いました。

 ヒゲを生やしている身です。窓越しに見えるこんなものも気になります。あっ、剃ったらだめです。

 一角にはカフェもあり、にぎわってます。

 ハッケシャー・ヘーフェを出て、アンペルマンの信号に従って横断歩道を渡ると、向かいはこんな店です。
 角を曲がると、こちらもおなじみの店です。

 ちょっとひと休みしました。

 お相手はこれでしょう。カリーヴルストです。焼いたソーセージに、カレー粉を混ぜたケチャップをまぶしたベルリンのファースト・フードです。

 揚げたてのポテトもたっぷりとついているので、これだけで腹の足しになります。

 創業1840年というのが、そのまま店名になっている老舗です。

 Restauration 1840
 Am Zwirngraben 8-10 10178 Berlin, Germany

 キャップマニアというわけではありません。でも集まりました。
 左から、今回のチロル、スペイン・サンティアゴ巡礼、「I amsterdam」はオランダ・アムステルダム、ドイツ(どこで買ったか思いだせない)、そしてスイスの氷河急行です。

ザルツカンマーグート 湖岸の眺め

 ザルツカンマーグートには、2000m級の山々と、70以上の輝く湖があります。ザルツブルクからポストバスに乗り、湖岸を走ってバート・イシュルに向かいます。
 ザンクト・ギルゲンの町には、少年・モーツァルトがバイオリンを弾く像が立っていたのを思い出します。
 対岸のシャーフベルク(1783m)の上には、ホテルや登山鉄道の駅も見えます。山麓のカーブは登山鉄道の軌道でしょう。

 ザルツブルクからのポストバスは、途中で工事による対面通行の区間があり、大渋滞してました。そこを過ぎると気持ちの良い高原の道を走り、やがて見えてきた最初の湖、フシュル湖です。

 ザンクト・ギルゲンに停車すると、頭上にロープウエーがかかっています。ツヴェルファーホルン(1522m)に登ると、ザルツカンマーグートの山々が一望できるそうです。

 ヴォルフガング湖の向こうに、シャーフベルクがそびえます。

 ザンクト・ヴォルフガングの教区教会が湖岸に立ってます。

 これまでの画像は、いずれも走行中のバスの窓ガラス越しに撮影しています。

 ザンクト・ヴォルフガングの湖岸から遊覧船が離れます。

オーストリア応用美術博物館 「サロンプロフォン」のデザイン

 【Day 12nd 2019/09/18】
 リンク沿いにある応用美術博物館(MAK)は、中世から現代までのヨーロッパの家具、陶磁器などの工芸品を所蔵しています。
 まずは、MAK内のレストラン「サロンプロフォン」に直行しました。「エッグベネディクト」のデザインも凝ってます。
 イングリッシュ・マフィンの上にハム、ポーチドエッグが載り、ソースで覆われています。

 カボチャスープは、カレー風味です。パンプキン・シードルが味を引き立てています。

 広いレストランです。天井などの内装は、MAKと調和しています。窓際の席は、予約済みです。

 MAK中央の吹き抜けです。

 ヨーゼフ・ホフマンらが開いたウィーン工房の家具です。

 繊細なデザインです。

 グスタフ・クリムトが、ブリュッセルのストックレー邸壁面装飾画のために制作した下絵が展示されています。

 ベルヴェデーレ宮殿のオ―ストリー美術館にある有名な「接吻」とは、男女の向きが反対ですが、まるで下絵かと思わせます。

 廊下にさりげなく置かれていた椅子が秀逸です。あまりの座り心地、いや寝心地に、しばしまどろんでしまいました。こんなのが欲しいです。

 Museum für angewandte Kunst(MAK)
 Stubenring 5 , 1010 Wien

 MAKの玄関わきには、レストランに直接入れる入り口もあります。

 Salonplafond at MAK
 Stubenring 5, 1010 Wien

ウィーン 真っ赤なトラムの心憎い配慮

 真っ赤なトラム(シュトラーセン・バーン)は、ウィーンのリンク(城壁を取り除いてできた環状道路)によく似合います。
 黄昏のオペラ座前にあるOperでやってくるトラムを待ちます。行先ごとに、右端には到着するまでの時間(分)が表示されています。地下鉄にもこの表示はあり、いつやってくるのかとイライラして待つことはありせん。

 ムジーク・フェライン(楽友協会)でベートーベンの「第九」を聴いた帰り道です。午後9時を回ったschwarzenbergplatzでトラムを待ちます。
 到着時間の表示を見ていると、「14(分)」となっているのが突然「4」に変わったり、また「15」に逆戻りしたり。その繰り返しで、さすがに「狂ってる!!」、どうなってるの。

 次の日、明るい中でゆっくりと確認しました。
 左下に拡大表示したマークがミソでした。よくよく見ると車いすをデザインしています。
 それでわかりました。次のトラムは何分後、でも低床式でじいちゃん、ばあちゃんや車いすの乗客はステップに段差がないそちらまでお待ちくださいというサインだったのです。
 外国人観光客に対して、「お・も・て・な・し」といった日本人的な配慮は、あまり感じないウィーンです。ここで、もうひと言、掲示しておいてくれたら助かるという場面には、しばしば遭遇します。でもそれは「聞けばすむ」ということのようです。非ドイツ語国民には言語の壁は厚いですが、それ以上に「弱い人」を大切に守っているというわけだったようです。

 低床式のLRTは増えているウィーンですが、まだまだ古いトラムが健在です。

 「ウィーンのガウディ」と呼ばれたフンダートヴァッサーの代表作、「フンダートヴァッサーハウス」の前にも走ってます。

 ウィーン交通の「72時間カード」を買いました。これで地下鉄もトラムも乗り降り自由です。
 これが時間切れとなった月曜日には、「1週間カード」を買い直しました。月曜から1週間が有効期限です。旅の日程を考えて、最もリーズナブルな方法を選びました。

 地下鉄のU1、U4が交わるシューベーデンプラッツのトラム駅です。ホテルまでは1駅でしたが、乗ってしまいます。

 右が1週間、滞在したキッチン付きのアパートメントホテル、Adagio Viena Cityです。

 写真は少ないですが、低床式のLRTがウィーンでも主流になりつつあります。

 黄色いトラムは、観光客用にリンクを巡回しています。

 ベートーベンも保養のために訪れた温泉地、バーデン行きの私鉄も走っています。

グラーツ 大好きなグリーンのトラム

 【Day 8th 2019/09/14】
 オーストリア第2の都市、グラーツの駅前に立ちました。でも、トラムの姿がありませんでした。ターミナルが地下化されていたのです。
 そうとわかって地下のホームに降りると、今度は見覚えのあるトラムが走ってきました。グリーンの古い車両です。
 この日のグラーツは、お祭りのようでした。そのために古いトラムが走っていたのかもしれません。

 2012年に「バッハ音楽祭」を聴くためドイツ・ライプツィヒを訪れました。そのみやげとして聖トーマス教会近くの鉄道模型店で買ったモデルと同じでした。

 こちらは2010年に「グラーツの旧市街をトラムは走る」と書いた記録です。でも、もう、こんな色のトラムは走っていませんでした。

 ウィーンで訪れた交通博物館です。この光景を見たとき、ひらめきました。

 そうだ、ここにグラーツのトラムを置いたら絵になるぞ!!

 早速、試してみました。交通博物館の画像をA4用紙にプリントして立てかけます。赤いトラムが隠れるように、グリーンのトラムを置いて、望遠で撮影しました。
 そのうち、このシナリーをジオラマで再現しようと、次のお遊びのテーマが決まりました。

 現在のグラーツのトラムは低床のLRTで、基本カラーはシルバーのようです。これに乗って「大坂図屏風」のあるエッケンベルク城や旧市街に行きました。

 ゆったりとして明るい車内です。

 24時間チケットをバリデートしました。最初に使うときに、日時をスタンプするのです。

 カラフルなトラムが連なる旧市街です。

OeBBの旅 「ジパング倶楽部」の大恩恵

 インスブルックからザルツブルクを経てウィーンなどへの移動の足は、すべて自前で確保しました。団体ツアーとは違って、バスが迎えにきてくれるようなことはありません。
 お世話になったのがOeBB(ÖBB=オーストリア国鉄)です。おまけにJRの「ジパング倶楽部」のOeBB版ともいうべきフォアタイルスカード(VORTEILS card Senior)をゲットしました。
 63歳以上のシニアは1枚(1人)で29EURしかしません。それで乗車券の普通運賃がなんと45%割引になります。すぐに元が取れます。このカードさえ見せれば、「葵の印籠」のごとく何度でも、ポストバスにでも。

 改札口がないので持ち帰った乗車券(上部の2枚は座席指定券)です。
 すべてが45%OFF。2人旅が、ほぼ1人分の料金で済みました。

 インスブルック駅のコンコースです。ここのチケット売り場でカードを手に入れました。
 フォアタイルスカードは、留学など長期滞在者向けに発行され、1年間有効です。「地球を歩く」によると、駅窓口かOeBBのサイトから申し込み、正式カードは郵送されてくるということです。
 その存在に気づいたのは、旅の直前でした。郵送を待っている時間はないので、駅窓口に直接行きました。駅員に「どれくらいいるんだ?」と聞かれたので、「2週間」と答えると、パスポートを確認して1カ月間有効の記名入りカードを発券してくれました。 

 インスブルック発、ウィーン行きのレイル・ジェット(特急)車内です。ザルツブルクまで乗りました。

 ザルツブルク中央駅で降りました。近代的なきれいな駅になってました。
 初めてやってきた2004年は、まだ地上の昔の駅舎でした。次に来たときは駅舎の工事中でした。

 ザルツブルクは素通りで、駅前からバート・イシュル行きのポストバスに乗りました。乗車を待っていると、アルバイト学生風の女性駅員(?)が近づいてきて、チケットをその場でハンディー券売機で発券してくれました。もちろん、カードは有効です。

 「Senior」の文字も、割引とあれば気になりません。

 ザンクト・ヴォルフガングで1泊して、ウィーンに向かう途中のバート・イシュルです。
 OeBBの時刻表サイトでは、ポストバスから鉄道への接続時間はたったの3分でした。スーツケースもあることだし、乗り継ぎは大丈夫かと不安でした。
 向こうに停車しているバスに乗ってきました。降りたところがホームです。接続時間は十分でした。

 乗車する列車は、数分遅れて到着しました。待ち時間は十分です。

 車窓から眺めるトラウン湖です。
 ハルシュタットに向かっていた前回は、この辺りの区間が不通になって、代替バスに乗り継いだことを思いだしました。

 近郊区間の普通車両です。スーツケースを置く場所がなくて、自転車と混載です。

 ウィーン・ハウプト・バーンホフ(中央駅)に到着です。方面ごとにあった終着駅をまとめるために新しくできた駅です。この駅を利用するのは初めてでした。

ザンクト・ヴォルフガングの昼下がり

 【Day 5th 2019/09/11】
 「ドレミの歌」のシャーフベルクから登山鉄道で下ってきました。湖岸の村、ザンクト・ヴォルフガングで昼食を食べました。登山鉄道で知り合った一人旅のお嬢さんも誘いました。
 マスなどの淡水魚の3種盛りといった魚料理です。

 こちらはフライです。どれも3等分してシェアしました。

 エビにパスタを巻いて揚げてあります。

 さて、これは何だったでしょうか。グラーシュのようなソースに浸かった肉と、団子状のポテトといった一品です。

 食事とこれとは切り離せません。

 独りで食べるので、いろんな料理に挑戦できなかったというお嬢さんと、楽しく話しながらいただきました。

 湖の遊覧船発着場の前にあるレストラン「ガストホーフ・フランツ・ヨーゼフ」のテラスでいただきました。

Gasthof Franz-Josef
Markt 185, 5360 St. Wolfgang im Salzkammergut,Austria

 登山鉄道の湖岸駅まで下りました。観光場所が走り始めました。

 湖岸から教区教会を眺めます。

 狭い道路の向こうに教区教会がそびえます。

 後期ゴシックの名匠、ミヒャエル・パッハーの祭壇(1481年完成)は立派です。

 ドーム天井につながる祭壇の上部です。

 パイプオルガンも華麗です。

 マリア様は、数珠のようなものを巻いておられます。

アルプスの山に取り囲まれたインスブルック

 インスブルックは標高2000㍍を超えるアルプスの山々に囲まれています。15世紀末にこの町を愛したハプスブルク家の始祖、マクシミリアン1世の時代に繁栄を遂げました。
 町のシンボルとなっている「黄金の小屋根」の向こうもノルトケッテ連峰が見えます。

 女帝・マリア・テレジアが息子の結婚記念に造った「凱旋門」の向こうも鋭い岩峰です。

 大聖堂の背後にはパッチャーコーフェルが。

 「市の塔」から見下ろした大聖堂の背後にも、雨に煙る山並みが。

トラムの向こうの山もみえている。

 イン川の対岸にあるオブジェ越しにみる大聖堂。

 イン川は、白く濁っています。

 地ビールがうまかったテレジエン・ブロイの前からも。

 市庁舎前広場から仰ぎ見ます。

 OeBBのインスブルック駅ホームからも、最後まで見える山々です。

アルプス山中の湖岸の村 ペルティサウでのんびりと

 【Day 4th 2019/09/10】
 蒸気機関車に押されてシュッシュッポッポとアッヘンゼー(アッヘン湖)へ向かいました。1時間ほどで湖岸駅のゼーツシュピッツに到着。待ち受けていた遊覧船に乗りました。
 船は片道1時間ほどかけて湖岸最北の村まで往復します。わたしたちは15分ほどの村、ペルティサウで下船しました。
 氷河で削られたフィヨルドとよく似た山々を背後にした景色が、あまりに素晴らしかったからです。

 「向こうの教会まで」とのんびりと歩きました。

 ハイキングコースがいくつもあります。登ってみたい山ばかりです。

 湖岸のレストランで日を浴びながら食事をしました。

 サイコーの1杯です。

 「Roast potetoes with fried egg and warm cabbege salad」です。フライパンで調理したままの熱々です。

 ベーコンは塩辛いですが、これはいけます。きれいに平らげました。もちろん、2人で一皿をです。

 ありふれた花もきれいです。

 ホテルの窓は、競うように花がこぼれています。

 ヒコーキ雲が横切ります。

 帰りの船がやってきました。
 1時間半ほどの滞在でしたが、ゆっくりと時間を過ごしました。

 蒸気機関車に押されてアッヘンゼーへ

インスブルックの味にノックアウト食らう

 実質の旅の初日は、カサを差しながら冷たい雨のインスブルックの旧市街を歩きました。
 昼飯は旧市街の中心にあり、「地球を歩く」にも載っていた「シュティフケラー」に入りました。いくつも部屋がどこも客であふれる人気ケラーでした。
 頼んだのは「土曜定食」です。グリルした若鶏の半分です。思っていた通りの料理が出てきて満足しましたが、わたしには想像を絶するボリュームに圧倒されました。
 いくら食べても、食べても若鶏です。こんなのをペロリと平らげるほどの胃袋は、わたしはもはや持ち合わせていません。

 

 スープも塩辛くて、二口、三口でもういいわ!

 ビールはミュンヘンです。どこで飲んでもうまいですが、この寒さでもビールなんでしょうか。熱燗はないですよね。

 Stiftskeller
 Stiftgasse 1 A-6020 Innsbruck

 旅は最悪のスタートとなりました。でも傘をさしたのはこの日だけでした。