J.S.Bach「マタイ受難曲」を岐阜・サラマンカホールで

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 バッハのミサ曲「マタイ受難曲 BWV244」を6日夜、岐阜サラマンカホールで聴きました。「岐阜バッハ合唱団演奏会」です。
 エヴァンゲリスト(福音史家)を歌われたテノール氏に、女房が合唱(ChorMater)の指導を受けています。先生の「マタイ」は、数年前にも京都で聴いてます。柔らかいテノールが音楽を引っ張っていきます。 

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 3時間近い大曲です。先日の「ミサ曲ロ短調」は、コックリ、コックリとすっかり気持ちのよい時間を過ごしました。でも、昨夜は日本語訳を読みながら、ずっと緊張感を維持することができました。どうしてでしょう。ちょっとはらはらさせられるところがあったからでしょうか。
 岐阜バッハ合唱団は、人数も多く、フルボリュームのすごい迫力でした。でもコラールは、「プラハの春音楽祭」で聴いた「ヨハネ受難曲」のような小人数の清らかな音色の方が、わたしには響きました。

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 岐阜県民ふれあい会館のサラマンカホールには、スペイン・サラマンカ市の大聖堂にあるルネサンスオルガンの複製があります。この音色も聴いてみたいです。

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 ホールの入口には、サラマンカ大聖堂の建物正面にある大理石の浮き彫りのレリーフが埋め込まれています。

大阪・福島 ザ・シンフォニーホールのサンドイッチ

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 「ザ・シンフォニーホール」です。昼食を食べてませんでした。2時からの開演にちょと時間があったので、ラウンジでコーヒー+サンドイッチにしました。サンドイッチは、ミックス、ツナ、カツどれも600円。コーヒーともでちょうど1000円です。場所代と考えればこんなものでしょうか。

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 まあ、小腹は満たされました。

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 このラウンジに「プラザ ビバーチェ」と名前が付いていることは、初めて知りました。

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 1階がロビー、2階がラウンジです。

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 開演前のホールです。

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 本日の席はココです。S席より5000円安いだけのA席なのに、舞台の後ろでした。それでもウン万円もしました。
 ココに座ったのは初めてですが、想像以上に良い席でした。楽器それぞれの音がクリアーに聞こえました。「猿の惑星」のような指揮者の表情も、たっぷりと楽しむことができました。

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 メタセコイアでしょうか。大きくなったエントランスの木が、色づいてます。

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 サイモン・ラトル指揮のベルリンフィルハーモニー。プログラムは、ハイドン交響曲第92番「オックスフォード」、マーラー「リッケルトの詩による5つの歌」、ベートーベン交響曲第6番「田園」でした。
 やはりベルリンです。期待しただけのことはありました。
 マーラーでは、息の長い弱奏部に吸い込まれ、やがては弦まで休んでしまう中で静に響くオーボエにうっとりとしました。短い曲ですが、これがマーラーの響きなんだと感じ入りました。メゾソプラノのマグダレナ・コジェナーは残念ながら後ろ向き。カーテンの奥で歌っているようにしか聞こえませんでした。
 スイス・ルツェルン音楽祭の来年夏のプログラムが、エアメールで送られてきました。なんとコジェナーがアッバード指揮、ルツェルン祝祭管弦楽団で、マーラーの同じ曲を歌います。行ってみたいですが、ちょっと遠すぎます。

ブレゲンツ 「トスカ」のあの感動、よみがえる!

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 Bregenzer Festspile 2007 “TOSCA”
 そのDVDが発売されました。すぐにネットで購入しました。すぐに送られてきました。
 オーストリアの西端、ボーデン湖に面した町、ブレゲンツで毎夏、開かれる湖上オペラです。2007と08年はプッチーニの「トスカ」です。その舞台を昨夏、この目で見ました
 あの感動から1年余、わくわくしてDVDを再生しました。

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 輸入盤です。字幕はありますが、英語、仏語、独語、イタリア語では、あっても関係ありません。
 客席(それでもA席でした)からでも見えなかった細部がはっきりと撮影されています。こんどの休みにじっくりと見ます。 

平等院音舞台を楽しむ

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 宇治・平等院で行われた「JAL 平等院音舞台」を楽しみました。幻想的な雰囲気の中で繰り広げられました。舞台は、10円玉にもなっている平等院鳳凰堂です。

音舞台2

 正面からだと、阿弥陀如来も拝めたはずです。

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 雪も舞う日に訪れた鳳凰堂です。正面から見ると、ちょうど阿弥陀如来坐像のご尊顔を拝することができます(2008/02/03撮影)。

音舞台3

 両翼の鳳凰は、夜空に光ってますが、堂内にはすでに光がありません。残念です。

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 開演前の鳳凰堂です。でも座席が最悪でした。ホールではないので、客席はフラットです。後部だったので、座っていたのでは何も見えません。首をあげて、前列の隙間から出演者の頭の先がのぞく程度でした。

音舞台6

 それでも「Celtic Woman(ケルティック・ウーマン)」の澄み切った歌声は素敵でした。「You Raise Me Up」が、真っ暗な夜空に吸い込まれていきました。

音舞台5

 チケットを引き替えた後、時間があったので門前の茶店でソフトクリームを買いました。宇治茶の産地です。抹茶がたっぷりとかかっています。「スイーツの横綱・大乃国も食べたソフトクリーム」だそうです。

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 音舞台は、郵送とネットで申し込みました。そのうちのどれかが当選しました。無料ですから、少々座席が悪くても、文句はいえません。夕立が降ったばかりだったので、ビニール製の雨具までくれました。
 10月5日の深夜0:30からMBSで放映されます。それを見て、舞台の画像を確認します。

草津音楽祭~2 最高のパフォーマンス「ブランデンブルク5番」

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 草津音楽祭のために建設された「草津音楽の森コンサートホール」です。6角形をしています。開演前には、正面の窓が開いてます。

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 ワイドスクリーンのような窓の向こうには、雄大な浅間山が見えます。自然を取り入れた、すばらしい環境です。

草津音楽祭3

 22日のプログラムは「バッハとその息子たち」でした。
 息子のW.F.Bach、J.C.Bach、C.P.E.Bach、弟子のJ.L.Krebs、それに大バッハと、いろなな曲が並びました。アントニー・シビリ(ケルン音大教授)のピアノや、前日に続いてインデアミューレのオーボエ(シェレンベルガーの方は客席に)が登場。バッハ「フルート協奏曲ニ長調」には、ウィーン・フィルの首席奏者、ヴォルフガング・シュルツが、渋い音色を響かせました。
 圧巻は、最後の「ブランデンブルク協奏曲第5番ニ長調BWV.1050」でした。ヴァイオリンは18歳でベルリン・フィルのコンサートマスターたなったサシコ・カヴリロフ、フルートはシュルツ、イ・ソリスティ・ディ・ペルージャも加わりましたが、そんなそうそうたるメンバーをみんな食ってしまったのが、チェンバロのクラウディオ・ブリツィ(ステージ中央)でした。
 それまでも派手な動きで指揮者のいない演奏をリードしていました。第3楽章のカデンツァ(独奏演奏)に入ると、面目躍如。乗りにのってヴァリエーションを変化させ、チェンバロという古楽器を前に踊りださんばかりの演奏。ジャズのようなインプロビゼーション(即興演奏)ではないとは思いますが、そのパフォーマンスに演奏途中でも拍手したくなるほどでした。こんなに楽しいパフォーマンスはじめてでした。クラシックの楽しみが、ぐっと広がりました。 

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 1階は有料の入場客、2階はアカデミーの参加者で満席でした。

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 この日もサインをもらいました。左側で、上がシュルツ、下がブリツィです。

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 音楽祭のチケットは、ネットで予約しました。1枚たったの4000円です。2人で2日、計16000円です。秋のベルリン・フィルのチケットは、1枚でこの2倍もしました。大満足の2日間でした。

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 コンサートホールは、草津温泉の高台にあります。

草津音楽祭~1 2つのオーボエとペルージャに酔う

草津音楽祭1

 「草津夏期国際音楽アカデミー&フェスティヴァル」という正式名称通り、若い音楽家を育てるアカデミーと、その講師陣の音楽家が演奏するコンサートで構成されています。今年で29回目という歴史をもっています。「18世紀の音楽~バロックからクラシックへ」が、2週間にわたって繰り広げられるプログラムのテーマです。
 高原のリゾートで夏に開かれるスイス・ヴェルビエ音楽祭とよく似ています。
 ザルツブルク、プラハの春、サイトウキネンin松本、ブレゲンツと
このところ毎年、音楽祭に出かけています。ことしは、ヴェルビエへの夢は叶わず、草津音楽祭となりました。
 演奏会の開始を告げるアルペンホルンが、「草津音楽の森国際コンサートホール」の緑いっぱいの庭に響きます。

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 21日のプログラムは、「イタリアの18世紀~イ・ソリスティ・ディ・ペルージャを迎えて」です。
 最も期待していたのが、アルビノーニ「2つのオーボエのための協奏曲ヘ長調作品9-3」です。
 ハンスイェルク・シェレンベルガー(ステージ左)は、ベルリン・フィルの元首席オーボエ奏者です。
 トーマス・インディアミューレ(同右)は、ホリガーの弟子のソロ奏者で、カールスルーエ音楽大学(ドイツ)の教授です。
 こんなすごい奏者が並び、しかもあまり聞くことはできない「2つの~」を朗々と響かせます。息をのむばかりのすごい演奏でした。 

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 あまりのすばらしさに、思わずミーハーしてしまいました。パンフレットに2人の奏者のサインをもらいました。

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 イ・ソリスティ・ディ・ペルージャのことは、なにも知りませんでした。正直にいうと、あま期待してませんでした。でも、その清らかな音色が響いた瞬間から、虜になりました。
 イ・ムジチ合奏団で知られるピーナ・カルミレッリの愛弟子パオラ・フランチェスキーニを中心に、古楽器の演奏で有名なペルージャ音楽院の教授らによって結成されています。

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 アンコールはボッケリーニの「マドリードの夜警隊の行進」から終曲の「マドリードの帰営ラッパ」でした。はじめて聴く曲でした。弱音で遠くから聞こえてきた隊列が、目の前を通過して、去っていきます。最後は帰営して、消え入るように終わります。

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 会場でCDを購入して、旅行中はカーステレオでずっと聴いていました。

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 すばらしい音楽会に満足して席を立つと、後部の席に中曽根康弘元首相が座ってました。ここは群馬県なんだと実感しました。ステッキを突いてましたが、シャキと背を伸ばした元気そうな姿でした。
  

シドニー・ピアノ・コンクールの北村朋幹をパソコンで聴く

北村朋幹

 The Sydney International Piano Competition of Australia がいま、シドニーで開かれています。4次までの予選を勝ち抜いた6人の決勝進出者のひとりが、日本の北村朋幹くんです。まだ17歳。愛知県の高校2年生です。
 その本選(5次)が、「ABC Classic FM」で放送されました。モーツァルトのピアノ協奏曲17番を弾いた北村くんの演奏を、ライブで聴きました。今夜、登場した3人の中では、最高の演奏だったと思います。8月1日にベートーベンのピアノ協奏曲4番を弾きます。翌2日の発表が楽しみです。
 2002年のチャイコフスキーで優勝した上原彩子も、このコンクールで優勝して、チャイコフスキーに進みました。北村くんも同じ道を歩みそうです。
 驚きですが、そんなライブが、わが家で聴ける時代です。ネットで中継されてるんです。ABCは、日本の朝日放送ではなく、オーストラリアの放送局です。リビングのステレオの前にあるノートパソコンで接続して、音声はステレオアンプにつなぎました。結構な音で鳴ってくれます。こんなのは初体験です。またもパソコンの世界が広がりました。2日には、ライブでコンクールの結果を知ることができます。ちょっとなまった(なまってなくても)英語のヒアリングというハードルは高いですが。
 写真は、3月に東京・上野の東京文化会館でのリサイタル終了後の北村くんです。浜松国際ピアノ・コンクールで聞き惚れて、「追っかけ」の気配になってきた女房と一緒に行ったその友人の撮影です。

クラシックから演歌まで 楊雪元テノールリサイタル

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 ジャズの翌日は、声楽のリサイタルです。楊雪元さん。京都市立芸大大学院を修了した中国出身の盲目のテノールです。
 なにも知らずに出かけました。プログラムを開いたら、マーラーの「大地の歌」でした。大好きな曲です。その第1、3、5楽章です。ピアノ伴奏(武知朋子さんは、すてきな美人!)ですので、オーケストラのような音の広がりやうねりは望むべくもありません。緊張のためか、声も最初はちょっと緊張気味でした。
 「Dunkel ist das Leben,ist der Tod.(生も暗く、死もまた暗し)」。そんな重々しいリフレインではじまりましたが、シューマンの「詩人の恋」、山田耕筰の数々、そしてアンコールまでくると、ノッてきて、「ライブは得意です」という通りに舌好調。ブラボーと拍手の渦に、「千の風」から「北国の春」までいってしまいました。
 京都府民ホール・アルティは、8割以上の入り。その反応からも大成功だったのでしょう。スター誕生の瞬間に立ち会えたようなうれしい気分でした。
 「みなさんに支えられて」ということで、プログラムのサブタイトルは「謝謝大家(感謝をこめて)」です。記念に1枚、パチリとやってしまいました。拍手に応える楊さんと、支える武知さんです。

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帰り道の楽しみ コンサート@ヒルトンプラザ

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 帰り道です。梅田のヒルトンプラザ5階にあるJ書店に立ち寄りました。エスカレーターで降りてくると、フルートの調べです。
 「スプリングコンサート in アトリウム」が毎夜、開かれています。たった30分のミニコンサートですが、ちょっと立ち止まって聞くにはちょうど良いです。

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 きょうの演奏は、フルートが川瀬礼実子さん、ピアノが田中絵理さんでした。アトリウムは最上階まで吹き抜けの空間です。気持ちよく響きます。

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 阪急で通勤していたときは、帰り道に3つの楽しみがありました。
 地下鉄御堂筋線の梅田をおりて、改札口の目の前に「ヨドバシ梅田」があります。パソコンにカメラに鉄道模型となんでもあります。電車の待ち時間をみてはいるのは「紀伊国屋書店」です。改札口の横には「成城石井」があって、ここで買うバーボンは、わたしが知る範囲ではどこよりも安いです。
 JRにかえて、そんな楽しみが吹っ飛びました。朝の10分以上の短縮は助かります。帰りも、どこにも寄らず(寄るところもなく)、7時台前半に自宅のドアを開けるなんて、これまでなかったことです。

ボーデン湖畔の「トスカ」

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 BodenSee(ボーデン湖)の湖畔の町、Bregenz(ブレゲンツ)です。湖上の舞台で演じられる Bregenz Festspiel(ブレゲンツ音楽祭)がなかったら、ここに来ることはなかったでしょう。

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 「TOSCA」の文字が見えます。

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 湖上の舞台です。「トスカ」では大きな眼球がデザインされています。バックの壁は、サッカーコートほどの大きさで、これが油圧ポンプで静かに倒れます。

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 開演は日没後の、なんと午後9時です。日本では考えられません。 

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 開演前に、白ワインを飲んで、体を温めました。
 プレッツェルの形をした、大きなパンも食べました。このパンは、ちょうどわたしの前で売り切れてしまいました。前に並んでいたお嬢さんが、上手な日本語で「同じのものが欲しいのですか?」と聞いてくれ、いそがしく立ち回る売り子に「もうないのか」と交渉してくれました。おかげで、別の箱から出てきたパンです。あちこちで親切を感じました。ありがとう。

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 やっと夕闇が迫ってきました。遊覧船でやってくる観客もいます。

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 甲子園球場の内野席のような客席です。ずっと上まで人でいっぱいです。

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 じわり、じわりと寒さも襲ってきます。妻は、「格好なんて気にしてられない」と、山用のレインウエア上下を着込んでます。
 周りの客も、毛布を準備したりと、怠りがありませんでした。

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 興奮のカーテンコールです。カーテンははありませんが、プッチーニの歌劇「トスカ」にすっかり酔った夜でした。