レコード・プレーヤーの再生 その2

 暑い1日でした。こんな日はエアコンをよく効かせた部屋での作業に限ります。
 「レコード・プレーヤーの再生」の第2段階です。

 前回作業で塗装を済ませたキャビネットに、新たにヤフオクで手に入れたトーンアームのための穴を開けます。元の穴より5mmほどずれています。養生テープを張って作業開始です。
 まず、2mmのドリルで切り取り面に沿って、いくつもの穴を開けました。
 ジグソーに刃の柄が細いブレードをセットして、穴を広げます。
 新しい穴が開きました。ドリルでの作業は不要のようでした。

 トーンアームのベースを固定します。

 ターンテーブルのドライブは、往年の名器、DENON の DP-3000 です。
 キャビネットに取り付けましたが、回転が安定しません。それを承知でゲットした中古です。
 DENON のターンテーブルは、使われているトランジスタの2SC458が劣化して、回転がおかしくなるケースがほとんどです。
 それにしても集積度の低い、優雅ともいえるプリント基板です。おかげでトランジスタの交換も容易です。

 交換のためのトランジスタとコンデンサーは用意していました。
 問題児のトランジスタ、2SC458 です。3本足がどれも見事に黒く変質しています。
 裏側からはんだごてで熱してトランジスタを取り除き、はんだ吸い取り器で余分なはんだを取り除きます。
 新しいトランジスタを挿入します。手持ちにあった2SC458と互換の2SC1815 です。
 はんだを盛れば交換完了です。 

 ついでのことなので、コンデンサーも交換しました。

 モーターも分解しました。きれいに掃除して、油を補給しておきました。

 最後は、回転数を確認するシンクロスコープのネオン管や鏡を磨きました。
 これですべては完了。回転も落ち着き、シンクロスコープも33rpmでピタリと静止しました。
 ところが、どうして・・・。予期せぬ事態が待ち受けていました。

OPアンプでフォノEQをつくる 2017

 ヤフオクで手に入れたレコード・プレーヤーの再生を始めたら、とんだ回り道に迷い込みました。
 OPアンプでつくるフォノEQです。これまでにも、いくつか作っています。手軽にトライできますが、なかなか思い通りの音を出してくれないこともあって、いつになってもお目当てのピークは見えてきません。
 思いだしたようにつくった新たな1台は、大阪・日本橋にある電子パーツ店のキットを組み立てました。

 「OPA2134使用・CR型 イコライザ単独基板(EQ_CR_G)」(3208円)というキットです。ネット通販で、他に必要だったパーツとともにすぐに届きました。
 64×33mmというかわいいプリント基板と、OPアンプ2個、抵抗、コンデンサーなどが入ってます。赤い大きなパーツは、出力段に使うカップリング用のフィルム・コンデンサーです。

 抵抗などパーツをプリント基板に差し込み、裏側からはんだ付けしていきます。
 久しぶりに使ったはんだごては、電子工作用の30ワットのものが断線したのか熱くなりませんでした。60ワットの大きなこてで代用しました。
 抵抗とOPアンプのソケットまで取り付けて、ひと段落です。

 コンデンサーまで一気に取り付けて、基板は完成です。

 収納ケースは、前回、つくったフォノEQを流用しました。
 このキットの入力は、MM型のカートリッジです。わたしが使っているMC型のDENON DL-103を使うためには昇圧のための入力トランスが必要です。同じDENONのAU-310という製品からトランス部分だけを取り出したものを取り付けました。 

 右がフォノEQ、左が電源です。

 朝から、ゆっくりとLPを聴きました。
 バッハのブランデンブルク協奏曲第4番です。跳ねるようなフルートが心地よく響きました。しばらく、これで遊びます。

 これまでのフォノEQ

アナログ・プレーヤーとデジタル針圧計

 レコード・プレーヤーの針圧(針の重さ)を量ります。アナログのLP全盛時時代には存在しなかったデジタル針圧計(スタイラスフォースメーター)です。
 わたしのプレーヤーには、DENON(電音=でんおん)のカートリッジ、DL-103がついてます。適正針圧は2.5gです。トーンアームには針圧調整装置があって、それで針圧を指定してました。針圧計で量っても、それほどずれていなかったことが確認できました。

 デジタル針圧計の存在をネットで知り、さっそくAmazonをクリックしました。1000円ちょっとという安さでした。
 かつては、天秤ばかりのような構造のアナログ針圧計が存在しました。でも高価で、とてもそこまで手が出ませんでした。

 最初に付属の重り(5g)で較正しました。ビニール製の収納ケースまでついています。
 中国製です。外国有名メーカー製なら、ずーっつと高価ですが、これで十分です。

レコード・プレーヤーの再生 その1

 アナログ・レコードが、再び話題になってます。ソニー・ミュージックエンタテインメント(SME)は先月、日本国内でのアナログ・レコードの自社生産を29年ぶりに再開すると発表しました。
 わが家には、「DENON DP-50M」というヤフオク(YAHOOオークション)で6年前にゲットしたプレーヤーが、トランジスタやコンデンサーをリペアーして健在です。とはいえ、もう少し良いのが欲しくなりました。ヤフオクをさまよって、いまさらながらの「レコード・プレーヤーの再生」です。

 ヤフオクでたったの1700円で落札したレコード・プレーヤーのキャビネットです。宅配便が1720円もかかってますが。
 で、届いたキャビネットは、当然ながら中古です。手前の左右に、化粧突板を突き破るほどのキズがありました。

 ラッカー・パテを盛って、乾燥後にペーパーで削りました。何とか表面の平滑は取り戻せました。突板の角を、ちょっと削りすぎました。
 この後、鉄道模型で使ったラッカー塗料のストックから、それらしいカラーを何色か筆塗りしました。

 まず、黒色の袴部分に240番のサンドペーパーをかけました。

 上面を新聞紙で養生したうえで塗装します。ホームセンターで買ってきた200円ほどの格安ラッカー・スプレーを吹き付けます。

400番のサンドペーパーで軽く表面を削り、3回ほどは塗り重ねました。

 上面と側面には、手持ちのセラック・ニスをはけ塗りしました。素人には難しい工程です。

 何度か塗っては、電動サンダーで表面を削る繰り返しでした。
 まだまだ不満はありますが、わたしの腕ではこの程度と、自らを納得させました。

 えぐれていたキズは、なんとか修復できたようです。ちょっと赤みがってますが、まあ良しとしましょう。

京都・北山 「コーヒーハウス ナカガワ」の自家特製カレー

 京都・北山の京都コンサートホールでバッハの「マタイ受難曲」を聴きました。その前に昼飯です。
 北山通から2筋上がり東に入ったところにある「コーヒーハウス ナカガワ」です。昔風の喫茶店の面影ですが、カレーがおいしいことでも人気です。
 ご飯、もちろんそれに合わせたカレーの量がすごく、「普通」で500グラム盛りです。「小で、よその店の普通くらいあります」というママの説明に、「小」(270グラム、700円)にしました。
 ひと口目。甘さが口に広がります。タマネギをたっぷりと炒めているのでしょう。油断していると、次にカレーらしい香りとともに辛さが襲ってきました。うまいです。

 福神漬けとラッキョウでひと段落です。

 ちょっと少なかったかなというくらいで満足して、ついてきたチョコレートを口に放り込みます。その甘さが、焼け付いた喉を絶妙に潤してくれます。
 セットのコーヒー(250円)も頼みました。

 1時半をすぎて、ガランとした店内です。昔はどこにもあったような喫茶店です。

 隣の兄ちゃんは、大きな丸皿からこぼれんばかりの「大」をペロリと平らげてました。

 写っていませんが、正面のもう少し左が比叡山です。先月、亡くなった誕生日が同じだった同級生宅のすぐ近くです。

 コーヒーハウス ナカザワ
 075-724-9192
 京都市左京区下鴨南芝町20-2

 京都コンサートホールで京都シティーフィル合唱団の「マタイ受難曲」を聴きました。100人を超す大合唱団のダイナミックなコーラスでした。

 この春からだけでバッハの受難曲は4回目です。マタイは3時間半ほどの大曲ですが、時間を忘れて聴き入ってしまいました。

 これまでに聴いたマタイ受難曲

阪急・十三 「阪急そば若菜 十三店」の天ぷらセットざる付き

 豊中のホールでの音楽会に向かいました。小腹を満たしておこうと途中の乗換駅、阪急・十三で宝塚・京都線ホームにある「阪急そば若菜 十三店」に入りました。「たぬき(きつねそば)」でも食べようと思っていましたが、今では駅ナカとは思えないメニュー構成です。関西私鉄の駅そば発祥の店ですが、もはや立ち食いではなく、椅子があります。
 「天ぷらセットざる付き」の「いかゲソ・玉子」(580円)を頼みました。いかゲソが品切れとかで、メニューにはない「ちくわ・玉子」となりました。
  駅そばと思えば、キリリと閉まった上出来の盛りです。


 
 ちくわ天もカラりと揚がってます。

 こちらの店の名物は、フライドポテトが入った「ポテそば」です。登場して話題になったころに食べたことがあります。


 
 阪急そば若菜 十三店
 06-6309-5818
 大阪市淀川区十三東2丁目12-1 阪急十三駅構内

 『メディチ家が愛した音楽』~イタリア・ルネサンスの響き~ (豊中市立文化芸術センター・小ホール)
 カウンターテナーの青木洋也、リュートの高本一郎、タンバリンの田島隆の奏でる楽しい響きでした。
 珍しく午後に鼻炎が出て、直前に特効薬を飲みました。おかげでハクションや、鼻ズルズルは解消しましたが、眠くて眠くて。前半は、不覚にも夢心地でした。
 青木さんの歌声は、重々しいバッハの宗教音楽なんかとは違って、明るくて変幻自在にノリノリ。リュートとタンバリンのジャズさながらのセッションという異色の組み合わせも息を飲ませるほどおもしろかったです。

愛知県芸でBCJの「マタイ受難曲」を聴く

 J.S.Bachの「マタイ受難曲」を聴きました。名古屋国際音楽祭が開かれている13日夜の愛知県芸術劇場コンサートホールです。
 BCJ(バッハ・コレギウム・ジャパン)の演奏でした。
 今年のイースター(復活祭)は17日です。キリストは十字架に架けられた3日後に復活したそうです。マタイ受難曲も、その復活のあたりのことを歌っています。その出来事とちょうど同じ日だったのです。
 この時期にBCJのマタイを聴くのは4回目です。独・ライプツィヒの聖トーマス教会も入れると、なんと5回目!。わたしにとっても恒例化してきました。

 BCJは、4声の2管編成です。コーラスの各パートはたったの3人。合わせても24人しかいません。エヴァンゲリスト以外のソリストもこれに含まれます。たったこれだけの小人数なのに、大きなホールを芳醇な香りで満たしました。教会で聴くのとはまた違った、コンサートホールでのクリアーなハーモニーでした。
 エヴァンゲリストは、これまでと違いました。ベンヤミン・ブルンス(テノール)は、圧倒的なボリュームで朗々と歌い、最後までその勢いは衰えませんでした。鈴木雅明の指揮も、畳みかけるようなな早いテンポで、3時間を超す演奏も、息もつかせないほどでした。ビオラ・ダ・ガンバや古楽器のオーボエの空気を震わすコンチェルトのような演奏にもため息がでるばかりでした。
 カウンターテナーの青木洋也さんのアルト・アリアも、これまで以上にドラマチックな表現でした。

 愛知県芸術劇場は、名古屋の繁華街・栄にあります。演奏が終わったのは夜の9時40分。それから新幹線で帰宅しましたが、わが家着は11時半でした。

 これまでに聴いたマタイ受難曲

いずみホールで「ヨハネ受難曲」を聴く

 J.S.Bachの「ヨハネ受難曲」を聴きました。大阪・いずみホールです。
 いただいたチケットは、なんと前から2列目という「かぶりつき」。1週間前のカトリック河原町教会の大聖堂で聴いた「マタイ受難曲」とはまた違った、ホールに響くダイナミックな調べを楽しみました。イースターを前にしていますが、信者でもないのにバッハの宗教曲づいています。実は4月にも別の「マタイ」のチケットを予約しています。
 京都・バッハ・ゾリスデンの演奏でした。とはいえソロやコーラスにも、先週のマタイと同じキャストが多いです。エヴァンゲリスの畑儀文さんは、きょうは指揮から解放されて、ひと際、朗々としたテノールでした。 

 3時間半もかかるマタイと比べると、こちらは2時間半。それでも休憩時間には、ちょっと眠気覚ましのコーヒーでひと息つきました。

 ヨハネ受難曲は、10数年前に、プラハのドボルザーク・ホールで聴いたことがあります。ペーター・シュライヤーの指揮・テノールでした。そのとき以来、バッハです。

京都・カトリック河原町教会で「マタイ受難曲」を聴く

 復活祭を前にした日、J.S.Bachのマタイ受難曲を聴きました。
 京都・河原町三条のカトリック河原町教会の新聖堂建立50周年記念事業だそうです。
 大阪バッハ合唱団の大編成のコーラスを間近で聴いていたので、ダイナミックなマタイでした。

 コンクリート造りのモダンな大聖堂(カテドラル)です。ステンドグラスが美しいです。
 スペインで巡った巡礼路沿いの古い石造りの大聖堂と比べると、響きがちょっと違うようです。

 指揮・エヴァンゲリストの畑儀文さんらとともに、オランダ・アルクマールとドイツ・フライブルクの教会で、同じ曲を演奏してきたばかりです。奥さまもソプラノを歌ってます。

 これまでに聞いたマタイ受難曲

姫路・パルナソスホールで聴く「バロックin姫路」

 姫路のパルナソスホールで「バロックin姫路 いにしえの楽器で巡るヨーロッパ・・・物語の旅」を楽しみました。
 休憩時間に2階のホワイエに上がってみると、これまた素晴らしい空間が広がってました。
 立花江津子の「パルナソス」と題されたステンドグラスが、西からの陽を浴びて輝いてました。

 パルナソスは、ギリシャ神話のアポロンとミューズが住んでいた山の名だそうです。

 差し込む光が柔らかいです。

 フロアが輝きます。

 バルセロナのサグラダファミリアの光遣いを思い出しました。

 パイプオルガンを備えた立派なホールです。
 姫路市制100年と姫路市立姫路高校50年を記念して、姫路高校に建てられています。こんなに立派なホールが、高校の音楽ホールだということにびっくりです。

 コンサートは、カウンターテナーの青木洋也にリコーダーの高橋明日香、ヴィオラダ・ガンバの福沢宏、チェンバロの三和睦子が演奏。おしゃべりの元テレ朝アナウンサー、浅岡聡はリコーダーも吹きました。
 ファン・エイク、クープラン、バッハとバロックの心地よい器楽曲が続きました。マレの「膀胱結石手術図」は、ヴィオラダガンバの福沢さんに合わせて朝岡さんが手術の状況を実況中継するという、一風変わった演奏でおもしろかったです。
 後半は青木さんが、マルチェロのカンタータなんかをカウンターテナーでいつものように朗々と。
 解説付きだったので、バロックのつながりもわかりやすく、肩の凝らない楽しいプログラムでした。
 青木さんのブログ「独り言。。。」にもアップされています。

 パルナソスホール
 姫路市辻井9-1-10
 079-297-1141