レコード・プレーヤーの再生 その3

 機嫌よくモーツァルトのディベルティメントを奏でてくれるはずでした。ところが針を落とした瞬間にわかりました。ヘン! 回転数が速すぎる!!

 ターンテーブルの裏面には、外周に4種類のマークがついています。これで回転数を測定しているのです。4つあるのは、電源周波数の50Hzと60Hz、45回転と33回転に対応しています。

 ヤフオクで落札したターンテーブルの出品者は、関東在住でした。当然、周波数切り替えスイッチは50Hzになってました。これを60Hzに変更しました。これでOKのつもりでした。
 ところが、回転数がおかしいです。

 ターンテーブルをはずしてよくよく見ると、もう1か所、50/60Hzの電源周波数切り替え個所がありました。この窓が開いたプレートで、ターンテーブル外周のマークの周波数を選択しているのでした。
 マニュアル(ネットからダウンロード)をよく読んでいなかったので、そんな単純なことを見過ごしてました」。

 改めて、回転数を調整します。プリント基板に2つの可変抵抗器がついてます。左のVR2が45回転用、右のVR1が33回転用です。まず45回転用を調整します。続いて33回転用も。微調整は上面のボリュームで調整できますので、それほど神経質になる必要はありません。

 上面のボリュームを調整して、やっと正しい33RPMにセットできました。
 モーツァルトも、あたり前のような心地よい音程を聞かせてくれました。

レコード・プレーヤーの再生 その2

 暑い1日でした。こんな日はエアコンをよく効かせた部屋での作業に限ります。
 「レコード・プレーヤーの再生」の第2段階です。

 前回作業で塗装を済ませたキャビネットに、新たにヤフオクで手に入れたトーンアームのための穴を開けます。元の穴より5mmほどずれています。養生テープを張って作業開始です。
 まず、2mmのドリルで切り取り面に沿って、いくつもの穴を開けました。
 ジグソーに刃の柄が細いブレードをセットして、穴を広げます。
 新しい穴が開きました。ドリルでの作業は不要のようでした。

 トーンアームのベースを固定します。

 ターンテーブルのドライブは、往年の名器、DENON の DP-3000 です。
 キャビネットに取り付けましたが、回転が安定しません。それを承知でゲットした中古です。
 DENON のターンテーブルは、使われているトランジスタの2SC458が劣化して、回転がおかしくなるケースがほとんどです。
 それにしても集積度の低い、優雅ともいえるプリント基板です。おかげでトランジスタの交換も容易です。

 交換のためのトランジスタとコンデンサーは用意していました。
 問題児のトランジスタ、2SC458 です。3本足がどれも見事に黒く変質しています。
 裏側からはんだごてで熱してトランジスタを取り除き、はんだ吸い取り器で余分なはんだを取り除きます。
 新しいトランジスタを挿入します。手持ちにあった2SC458と互換の2SC1815 です。
 はんだを盛れば交換完了です。 

 ついでのことなので、コンデンサーも交換しました。

 モーターも分解しました。きれいに掃除して、油を補給しておきました。

 最後は、回転数を確認するシンクロスコープのネオン管や鏡を磨きました。
 これですべては完了。回転も落ち着き、シンクロスコープも33rpmでピタリと静止しました。
 ところが、どうして・・・。予期せぬ事態が待ち受けていました。

OPアンプでフォノEQをつくる 2017

 ヤフオクで手に入れたレコード・プレーヤーの再生を始めたら、とんだ回り道に迷い込みました。
 OPアンプでつくるフォノEQです。これまでにも、いくつか作っています。手軽にトライできますが、なかなか思い通りの音を出してくれないこともあって、いつになってもお目当てのピークは見えてきません。
 思いだしたようにつくった新たな1台は、大阪・日本橋にある電子パーツ店のキットを組み立てました。

 「OPA2134使用・CR型 イコライザ単独基板(EQ_CR_G)」(3208円)というキットです。ネット通販で、他に必要だったパーツとともにすぐに届きました。
 64×33mmというかわいいプリント基板と、OPアンプ2個、抵抗、コンデンサーなどが入ってます。赤い大きなパーツは、出力段に使うカップリング用のフィルム・コンデンサーです。

 抵抗などパーツをプリント基板に差し込み、裏側からはんだ付けしていきます。
 久しぶりに使ったはんだごては、電子工作用の30ワットのものが断線したのか熱くなりませんでした。60ワットの大きなこてで代用しました。
 抵抗とOPアンプのソケットまで取り付けて、ひと段落です。

 コンデンサーまで一気に取り付けて、基板は完成です。

 収納ケースは、前回、つくったフォノEQを流用しました。
 このキットの入力は、MM型のカートリッジです。わたしが使っているMC型のDENON DL-103を使うためには昇圧のための入力トランスが必要です。同じDENONのAU-310という製品からトランス部分だけを取り出したものを取り付けました。 

 右がフォノEQ、左が電源です。

 朝から、ゆっくりとLPを聴きました。
 バッハのブランデンブルク協奏曲第4番です。跳ねるようなフルートが心地よく響きました。しばらく、これで遊びます。

 これまでのフォノEQ

アナログ・プレーヤーとデジタル針圧計

 レコード・プレーヤーの針圧(針の重さ)を量ります。アナログのLP全盛時時代には存在しなかったデジタル針圧計(スタイラスフォースメーター)です。
 わたしのプレーヤーには、DENON(電音=でんおん)のカートリッジ、DL-103がついてます。適正針圧は2.5gです。トーンアームには針圧調整装置があって、それで針圧を指定してました。針圧計で量っても、それほどずれていなかったことが確認できました。

 デジタル針圧計の存在をネットで知り、さっそくAmazonをクリックしました。1000円ちょっとという安さでした。
 かつては、天秤ばかりのような構造のアナログ針圧計が存在しました。でも高価で、とてもそこまで手が出ませんでした。

 最初に付属の重り(5g)で較正しました。ビニール製の収納ケースまでついています。
 中国製です。外国有名メーカー製なら、ずーっつと高価ですが、これで十分です。

レコード・プレーヤーの再生 その1

 アナログ・レコードが、再び話題になってます。ソニー・ミュージックエンタテインメント(SME)は先月、日本国内でのアナログ・レコードの自社生産を29年ぶりに再開すると発表しました。
 わが家には、「DENON DP-50M」というヤフオク(YAHOOオークション)で6年前にゲットしたプレーヤーが、トランジスタやコンデンサーをリペアーして健在です。とはいえ、もう少し良いのが欲しくなりました。ヤフオクをさまよって、いまさらながらの「レコード・プレーヤーの再生」です。

 ヤフオクでたったの1700円で落札したレコード・プレーヤーのキャビネットです。宅配便が1720円もかかってますが。
 で、届いたキャビネットは、当然ながら中古です。手前の左右に、化粧突板を突き破るほどのキズがありました。

 ラッカー・パテを盛って、乾燥後にペーパーで削りました。何とか表面の平滑は取り戻せました。突板の角を、ちょっと削りすぎました。
 この後、鉄道模型で使ったラッカー塗料のストックから、それらしいカラーを何色か筆塗りしました。

 まず、黒色の袴部分に240番のサンドペーパーをかけました。

 上面を新聞紙で養生したうえで塗装します。ホームセンターで買ってきた200円ほどの格安ラッカー・スプレーを吹き付けます。

400番のサンドペーパーで軽く表面を削り、3回ほどは塗り重ねました。

 上面と側面には、手持ちのセラック・ニスをはけ塗りしました。素人には難しい工程です。

 何度か塗っては、電動サンダーで表面を削る繰り返しでした。
 まだまだ不満はありますが、わたしの腕ではこの程度と、自らを納得させました。

 えぐれていたキズは、なんとか修復できたようです。ちょっと赤みがってますが、まあ良しとしましょう。

青春18 近畿の駅百選 尼崎、須磨浦公園、西神中央、ユニバーサルシティ

 近畿の駅百選は、2000年から03年までの4年間に国土交通省が選定した近畿地方の特徴ある100の鉄道駅です。その認定プレートが、多くの駅に残っています。
 『「近畿の駅百選」 この駅に降りた』で、わたしの足跡を残しています。久しくご無沙汰していますが、この夏の青春18きっぷで、智頭急行の平福駅を訪ねました。思いだして整理してみると、未踏は15駅でした。京都のように、何度も乗り降りしていても、認定プレートがみつからずに「未踏」となっている駅も含んでいます。
 青春18きっぷもあることだしと、その中の近くにある4駅にチャレンジ。予想に反してすべての駅で認定プレートをキャッチしました。

 まず向かったのはJR尼崎です。「UFOを思わせるドーム付きの空中回廊が特徴の三味線をイメージしたデザイン」というのが選定理由です。
 なるほど、UFOが不時着した感じです。ただし三味線はわかりませんでした。

 認定プレートは、みどりの窓口の壁の上にありました。

 近くに眠る近松門左衛門の「冥途の飛脚」のヒロイン、梅川をイメージした文楽人形の像が立っています。

 改札内に本屋からコンビニ、処方箋薬局の窓口まである駅です。

 【09:11】
 急に思い立ってJR島本をスタートしました。高槻からは快速になり、乗り換えなしで尼崎です。

 青春18きっぷの2回目のスタンプです。

 山陽電鉄の須磨浦公園です。
 「桜の名所として有名な須磨浦公園の隣接駅。駅舎はロープウエー乗り場と一体」ということで、2つの駅が並んでます。

 駅正面の壁に、額入りで保存されていました。

 山頂に向けてロープウエーが昇っていきました。

 国道2号の向こうにJR、そして海上に突き出した須磨海づり公園が見えます。子どもが小さかったころ、何回かアジやハゲを釣りにやってきたことがあります。

 【10:43】
 JR尼崎から新快速、各停と乗り継いで須磨で下車しました。

 山陽須磨で山陽電鉄の姫路行き各停に乗り換えました。ガラガラです。須磨浦公園は一駅でした。

 神戸市交通局の西神中央です。
 「ドーム型コンコース屋根にステンドグラスを配置。『太陽と緑』をテーマにしたヨーロピアンデザイン」という通り、モダンな街のモダンな駅です。

 「定礎 昭和62年3月」というプレートが埋め込まれた柱の上にありました。

 地下鉄西神山手線の終点です。

 南口には広いバスターミナルがあります。ちょうどJR明石駅前行きのバスがやってきたので、飛び乗りました。

 【13:42】
 JR明石駅前の魚の棚で一杯やって、良い気分で上り新快速に乗りました。

 まだ早いのでと大阪で下車。環状線内回りに乗り換えました。3枚扉の新型です。

 USJの玄関口、JRユニバーサルシティです。
 「帆船をデザインした斬新的なデザイン」だそうですが、それらしい風景には撮影できませんでした。

 にぎやかな案内の片隅にありました。

 駅を出ると、そこはけばけばしいUSJの世界です。

 カメラを構えてジェットコースターが滑り降りてくるのを待ちました。でも暑さに負けて退散しました。

 【16:09】
 JR島本に戻ってきました。
 本日のJR運賃の合計は2570円。青春18きっぷの使用で、1回分より200円だけトクという計算です。
 まあ、このきっぷを買っていなかったら、こんな旅もしなかったでしょうから、どちらがトクかは微妙です。ま、消化試合ですかね。

青春18 姫路 「姫路の地酒と姫路おでん本舗 」のほろ酔いセット

 青春18きっぷの旅は姫路(正確には上郡)から先で岡山~津山~佐用とループを作って姫路まで戻ってきました。ちょっと疲れたので、駅そばでも食べるかと隣のホームの新快速を横目に途中下車しました。 
 改札を出てコンコースを歩くと「播州うまいもの処」というフードコートがありました。なんとなく入ってみると、名物の姫路おでんが。「ほろ酔いセット」(700円)という手ごろなメニューにひかれました。姫路おでん3個に生ビールの組み合わせです。
 姫路おでんは、生姜醤油で食べるご当地おでんです。わたしはこぶ出汁で食べるからしたっぷりの大阪おでんの方が好きですが、これはこれでさっぱりといただけます。揚げ物は、かんべいレンコン棒だったのでしょうか。 

 うまそうな地酒も並んでました。

 姫路の地酒と姫路おでん本舗
 079-284-6677
 姫路市駅前町188-1 ピオレ姫路おみやげ館

 【14:25】
 平福の町を半時間ほど散策して、次の列車で帰途につきました。ああ暑かった。

 帰りの列車はロングシートでしたが、風鈴列車でした。
 佐用で下車して、連絡している姫新線に乗り換えるつもりでした。ところが途中の播磨新宮で乗り換えに1時間ほどの待ち時間があることが判明。そのまま智頭急行の上郡まで乗りました。

 【15:06】
 上郡でJR山陽線の相生行きに乗り換えました。相生でさらに姫路行へと乗り換えが続きました。
 幸いなことに、この日の全ルートを通じて座席を確保することができました。

 【16:06】
 姫路でちょっと一服して、野洲行きの新快速に乗りました。あとは三宮、大阪と止まるのを眠っているだけでした。

 【17:34】
 高槻着です。昇降式の安全策が設置されていますが、普通の乗り換えはホームが変わって、ちょっと面倒です。

 【17:42】
 JR島本に帰ってきました。12時間近くが経過していました。
 青春18きっぷで、目いっぱい遊んだ一日でした。まだ4回分、残ってます。

青春18 近畿の駅百選 旅籠のような智頭急行・平福

 津山から姫新線に乗り佐用まで。ここで智頭急行に乗り換えて一駅の平福に行きました。青春18きっぷでは智頭急行に乗れませんが、それでも向かったのは、平福が「近畿の駅百選」に選ばれているからです。
 平福は、姫路と鳥取を結ぶ因幡街道沿いに栄えた宿場町です。駅は、平成6年(1994)の智頭線開業とともにできた比較的新しいものですが、無人駅ながら立派な旅籠を模した駅舎が目を引きます。
 ホームでは、乗ってきた左の下り智頭行きと、右の上り上郡行きが交差しました。 

 ありました。お目当ての認定書は柱の上です。

 2003年の発行です。よくぞ残っていたものです。
 8年ほど前に「近畿の駅百選」の各駅を巡りました。『「近畿の駅百選」 この駅に降りた』に記録が残ってます。あと10数駅が未踏で残ってました。平福も、わざわざ訪ねるには、あまりに遠隔地で不便でした。

 剣豪・宮本武蔵の誕生の地にも近く、初の決闘場があります。

 緑の稲穂が揺れる向こうで、のんびりと停車する下り列車です。

 「スーパーはくと」が通り過ぎました。

 下り列車も、やっと発車しました。

 平福は水運の要衝としても栄えました。千種川に沿って高瀬舟が瀬戸内から上ってきたのです。

 山の上には利神城の本丸跡が見えます。

 立派な陣屋門も残っています。

 道の駅がありました。名物の「しかのコロッケ」や野菜なども売ってました。わたしは、とりあえず冷たいソフトクリームにかじりつきました。

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青春18 「津山まなびの鉄道館」の扇型機関車庫

 「青春18きっぷ」で岡山・津山まで行ったのは、ホルモンうどんが食べたいこともありましたが、こちらを訪ねたかったのです。
 「津山まなびの鉄道館」は、わが国に現存する扇型機関車庫のなかで2番目の規模を誇る「旧津山扇型機関車庫」をメーン施設にしています。
 正面の「DE501」は、日本最大2000馬力を誇る液体式ディーゼル機関車です。ところが投入予定路線が急速に電化され、1両しか製造されなかった「遅れてきたDL」です。

 懐かしい気動車3兄弟。左のキハ181は特急「はまかぜ」や「やくも」に乗りました。キハ28や58は、夏の信州へと運んでくれた「ちくま3号」でもお世話になりました。

 回転式の機関車庫には、やはりSLが似合います。

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青春18 津山 「いっぱい茶屋 東宝」のホルモンうどん

 「青春18きっぷ」の夏シーズンが、きょう20日から使用開始となりました。久しぶりに買ったきっぷでさっそく遠出しました。最初の目的地の岡山・津山には11時ちょっと前に着きました。まっすぐに向かったのが駅前の「いっぱい茶屋 東宝」です。B-1グランプリで準優勝の経歴をもつ津山名物のホルモン焼きうどんの店です。
 もちろん頼んだのは「ホルモンうどん」(800円)です。

 コリコリとしたホルモンです。いろんな部位が混ざってますが、臭みもなく、甘くて食べ進みます。

 暑い1日でした。なにはともあれこちらを飲みながら、カウンター越しに調理を拝見しました。

 11時の開店を待ちかねて店内に入った5人分です。全員が同じものを注文しています。
 ホルモンが焼けると、キャベツともやしをドサリ。
 うどんも混ぜて焼いていきます。
 「うちは味噌で味付けしてるんです」と、目の前の兄ちゃん。5人分が一気に完成しました。 

 いっぱい茶屋 東宝
 0868-22-2938
 岡山県津山市南町1-30

 「津山ホルモンうどん研究会」が町おこしも兼ねて活動しています。この地図には、協力19点が紹介されています。