JR・ICOCA大回り乗車 北近畿ルートの3食

 JR西日本のICカード、ICOCAの利用可能駅が今春、拡大されました。北近畿エリアでは、山陰線の園部-城崎温泉、姫新線の和田山-寺前間の主要駅です。
 これまでは大阪近郊区間に限られていた大回りルートが、ICOCA利用だと京都-和田山-姫路と回るループが可能となりました。
 青春18きっぷのシーズンですが、5回分を使い切る気力もなく手が出ません。お手軽に、北近畿をぐるーっと回って片道160円ぽっきりというICOCA大回りを楽しみました。
 駅弁もいただきました。和田山のホーム・ベンチで昼飯にしたのは京都で買ってきた「京風だし巻と牛すき重」です。目の前に止まっている気動車、キハ40のガラガラというディーゼルエンジンのサウンドをバックに、風に吹かれていただきました。

 京都では、ホームの立ち食い、麺家の「朝定食」をいただきました。現役時代には、東京出張の折によく食べた思いでの味です。

 姫路での足跡は、これしかありません。ホームにある「まねき」の「えきそば」です。黄そば(中華そば)と和風だしが、絶妙のマッチングです。

 【2021/07/27 07:28】
 朝食も食べずに飛び出してきました。自宅最寄りのJR島本です。
 きょうも良い天気です。

 わたしのスマホには、JR東日本のモバイルSUICAがインストールされています。チャージ額が3,000円を超えているのには、ワケがあります。
 これを改札にかざして、お隣の高槻までの長ーい旅の出発です。

 7:37発の京都行き普通に乗ります。高槻とは反対向きです。予定していた最適ダイヤより1時間ほど早いです。

 京都で最初の乗り継ぎです。嵯峨野線ホームにある麺家に直行しました。ここはカウンターにベンチがあって、ゆっくりとできます。ガラガラでした。

 麺家は、ジェイアール西日本フードサービスネットのブランドで、大阪や京都などのホームあちこちにあります。どこも同じ味で、安心して食べられます。

 「朝定食」(410円)は、そばかうどんに好物の玉子かけご飯、漬物のセットです。

 嵯峨野線ホームの駅弁売店は営業していなかったので、2階コンコースの「旅駅弁」に戻りました。
 選んだのは南洋軒の「京風だし巻と牛すき重」(1080円)です。南洋軒は草津駅弁です。昨秋、学研都市線を大回り乗車したときにも、食べていました。

 予定より早い亀岡行きに乗りました。嵯峨嵐山で、特急はしだて1号に追い抜かれました。

 亀岡で後続の園部行きに乗り換えました。8両編成でしたが、学生がたくさん乗っていました。

 園部で乗り換えです。学生もどっと下車しました。調べてみると、佛教大学園部キャンパスというのができていました。

 福知山行きが入線してきました。ワンマン運転です。

 運転士を取り囲むように4人もの乗務員です。ひょっとしたらと思っていると、予想的中で車内検札が始まりました。
 わたしはスマホの電源を入れてSUICAの画面を見せて、「大回りです」。これで何も言われることはなくパスでした。

 福知山で豊岡行きに乗り継ぎます。連絡はスムーズです。

 車内の中吊りにICOCAの利用エリアの拡大図がありました。

 【11:54】
 和田山に到着です。

 ホーム北側の空き地に、明治45年に建てられレンガ造りの機関庫が残っています。

 ここで1時間ほどの待ち時間があります。だれもいないホームのベンチで昼飯としました。
 和田山のホーム内では、清涼飲料水のベンダーしかないことはわかっていました。缶ビールも京都で買って、保温袋に詰めて用意してきました。山歩きではないので、ザックの重さは気になりませんでした。

 薄い味付けの分厚いだし巻きです。

 寺前行きの普通に乗りました。この区間は非電化で、久しぶりの気動車です。
 冷房はよく効いてますが、天井の扇風機が懐かしいです。

 竹田に停車しました。改札にICOCAの読み取り機があります。

 反対の窓から見上げます。雲海の竹田城を見たいものです。

 寺前の駅前です。改札内にはトイレがなく、「使われる方はどうぞお通りください」と親切な駅員。大回り乗車では許されていない改札外に出ました。

 14:15発の姫路行に乗り込みます。ワインレッドの、懐かしい103系電車です。

 ベンチシートに座ると、さすがに疲れてきたのか姫路までうたた寝をしていました。

 【15:11】
 姫路の播但線乗り換え口です。中間改札といって、山陽線に乗り換えるときも検札があります。大回り乗車の関門です。
 結果は、スマホをかざすと何事もなく通過できました。
 ここでは切符が有効かどうかをチェックしているようです。ただし、乗車した島本から姫路以遠分がICOCAにチャージされていないとダメなようです。このために、わたしはSUICAに十分なチャージをしていました。

 乗り継ぎの新快速が発車していくのを横目にしました。まねきのえきそばを食べないわけにはいきません。

 熱々をすすりました。あっさりといい味です。

 わたしと同い年の昭和24(1949)年生まれです。終戦後の何もない時代に、かんすい入りの中華麺に和風だしというミスマッチの商品は誕生しました。
 タイムサービスで330円でした。

 最後の敦賀行き新快速に乗り込みました。スマホでオリンピックの結果なんかを見ていました。

 【16:54】
 ゴールの高槻に到着しました。

 緊張の改札です。「ピンポーン!」。スマホをかざしてもゲートは開きませんでした。時間超過でした。

 駅員のいる改札口に行くと、スマホのSUICAのデータをパソコンで読み取ってくれました。「7時台に島本で乗車してますね」。「はい、大回りしてました」。これでOKでした。「お通り下さい」

 SUICAの利用履歴を調べると、確かに島本-高槻の乗車賃160円が「精(精算)」として差し引かれています。

 【17:07】
 高槻から4分で島本に帰ってきました。10時間ほどの旅でした。
 ちなみに島本-京都-和田山-姫路-高槻の総延長は309.8kmです。料金計算は複雑ですが、和田山で途中下車する料金は計4950円となります。それをたったの160円で1日、楽しませていただきました。