六甲山の別荘地にある「ヴォーリズ六甲山荘」で、ファゴット アンサンブルの柔らかな調べを楽しみました。庭のウグイスも、合わせて歌っていました。
ファゴット(バス―ン)というのは、あまり目立たない楽器です。ソロでその音色に接する機会はあまりありません。それが3奏者もそろい、心地よいアンサンブルを奏でました。
楽器の説明もあって、「このように5つのパーツに分解できるのですよ」と。
奏者のひとり、宮本謙二さん(元日本センチュリー交響楽団首席ファゴット奏者、左)は、ご自身が大津市にあるヴォ―リズ建築である「宮本邸」に住んでおられます。
ウィリアム・メレル・ヴォーリズ(1880-1964)は、米国に生まれ、日本で数多くの西洋建築を手懸けた建築家、社会事業家、信徒伝道者です。最初に暮らした滋賀・近江八幡などに多くの名建築が残っています。
宮本さんは、プロジェクターを使ってご自邸を紹介、ヴォーリズの生前の姿も写しだしてくださいました。
ここでしか味わえない「山荘カレー」(1000円)が用意されていました。
ひと昔前に、喫茶店で食べたような懐かしさを感じさせる味でした。でももっとスパイシーで高級な香りのビーフカレーでした。
神戸市内のレストランで作ったものを運んできて、山荘の台所で温めたようです。
こんなシチュエーションでいただきました。
山荘の軒下です。目の前には、美しい緑が広がります。別荘暮らしをひと時だけ、体験させていただきました。
ヴォーリズ六甲山荘は、1934年にヴォーリズの設計で関西学院高商部教授だった小寺敬一氏の夏の別荘「小寺山荘」として建てられました。山荘建築の代表的作品だそうです。
「ファゴット アンサンブル+ヴォーリズ名建築「宮本邸」のお話 atヴォーリズ六甲山荘」というのが、きょうのイベントでした。紹介してくれた知人と一緒に、わたしの車でやってきました。
まずは山荘内を案内してもらいました。
ファゴットの演奏は、この暖炉の前でした。居心地がよさそうな空間です。
主ベッドルームです。ヴォーリズらの写真が飾られています。
いくつかある部屋は、それぞれが1㍍ほど二重壁で隔ててられています。その間にトイレと手洗いがあり、クローゼットなどが設えられています。
五右衛門風呂もあります。
庭に出てみました。あちこちにコアジサイが咲いています。
さて、庭のこの花は?
こちらは?
「きょうだいの森」を下ります。
休憩所として建てられた「室谷邸記念館」です。
室谷邸は、1934年に神戸市須磨区にヴォーリズの設計で建築されました。チューダー様式の重厚かつ華麗な住宅だったそうです。2007年に解体されましたが、神戸市に保管されていた門から玄関いたる門廊部の部材を譲り受けて作られました。
思わず見ほれる意匠です。
ヴォーリズ六甲山荘は、「認定特定非営利活動法人 アメニティ2000協会」がナショナル・トラスト運動として2008年に小寺山荘を購入、保存公開しています。
六甲山の中心、記念碑台から細い山道を入ったところにあります。
ヴォーリズ六甲山荘
神戸市灘区六甲山町北六甲4-744