ポンポン山の北の谷、竃ヶ谷(かまがたに)にオオキツネノカミソリ(大狐剃刀)の花が咲くことを、ネット情報で知りました。7月中旬から気になってました。
ところが、今年は長雨が降り続きました。梅雨が明けても、谷は増水しているはずでした。竃ヶ谷は、何度も渡渉を繰り返さなければなりません。様子を見ているうちに、今度は猛暑襲来でした。
わたしにとってはラストチャンスと、意を決して出かけました。
オオキツネノカミソリは、満開を過ぎて、谷一面がオレンジに染まるような群生は見られませんでした。それでもあちらにこちらに、可憐に咲き競っていました。
葉の形を剃刀に見立て、花の色を狐に見立て名づけられています。で、葉はどこにと探しましたが、花の咲くころにはすでに葉はなく、茎が伸びて花だけが咲くそうです。
ヒガンバナ科の多年草です。たしかに花を真っ赤にすれば、ヒガンバナとよく似ています。
竃ヶ谷にはフクジュソウ(福寿草)やヤマブキソウ(山吹草)などいろんな花が咲きます。
地元の方たちが、フェンスを張ってシカやイノシシに食い荒らされないように保護してくださっているからです。
きょうは、保護にあたっておられる「植物博士」のご厚意で、フェンスの中に入らせていただきました。
保護フェンスの中は花の宝庫でした。
ダイコンソウ(大根草)は、葉がダイコンの葉と似ているそうです。
ママコノシリヌグイ(継子の尻拭い)とは、こんな可憐な花にちょっと失礼なネーミングです。こんなトゲトゲで尻拭いしたらたまりません。トゲソバ(棘蕎麦)ともいいうそうです。
ミズタマソウ(水玉草)は、毛の生えた果実が水玉を思わせます。
ボタンヅル(牡丹蔓)が、白い花をいっぱいつけています。
ナルコユリが緑の実をつけています。
マルバヤブマオというそうです。
ナンバンハコベは、花弁が途中から反り返っています。果実が膨らんでいます。
アカネ(茜)です。この根を染料にすると、茜色になるんだそうです。
クサアジサイ(草紫陽花)は、アジサイと区別がつかないような花をつけています。
コオニユリは、確かに鬼百合よりは小さいようです。
左のフェンスの内部を、まるで個人ツアーのように案内してもらいました。Kさん。ありがとうございます。
せっかく、すべての花の名前を教えていただきながら、不肖の見学者はほんのわずかしか覚えてなくて、申し訳ありません。
竃ヶ谷にはいったところで、保護員の腕章をした4人が休んでおられました。通り抜けようとすると、その中のお一人が、なんと私が勤めた会社の先輩、Tさんでした。大原野に住んでおられ、フクジュソウの保護などのボランティア活動をしておられるそうです。冷たい飲み物をいただいたうえに、Kさんに案内してもらえるように頼んでくださいました。
こんなラッキーが重なって、花、花、花を楽しむことができました。
大原野森林公園の森の案内所から歩き始めました。最大の難関が、竃ヶ谷にはいるこの渡渉でした。このところの好天で水量はそれほど多くなく、問題なく渡ることができました。