兵庫芸文 大阪バッハの「マタイ受難曲」を聴く

 J.S.バッハの「マタイ受難曲」を聴きました。クリスチャンでもないのに、復活祭の四旬節のこの時期にこの大曲を聴くのが恒例となってしまいました。このブログで調べてみると、ちょうど10回目でした。
 大阪バッハ合唱団の合唱で、奥さまもソプラノで歌ってました。指揮は、マタイが初演されたドイツ・ライプツィヒのニコライ教会の現在の音楽監督、ユルゲン・ヴォルフでした。
 テンポに緩急があり、ドラマチックな棒でした。イエスが十字架にかかって昇天する限りなく美しいコラール。息を詰めて最後の音を効いた終曲。どれも素晴らしい瞬間でした。
 阪急・西宮北口にある兵庫県立芸術文化センターの大ホールでした。そこが満席に近い状態でした。

 3時間を切る演奏でした。これまでになくスピードアップされていました。
 それでも息抜きは必要です。休憩時間に、ちょっと「白」で間を取りました。

 外に出ると雨が降ったのか、芸文の外は濡れていました。

 すぐ近くにある阪急西宮ガーデンズにオープンしたばかりの日本初上陸という大型スポーツ用品店「デカトロン西宮店」に寄ってみました。登山用品もウエアを中心にリーズナブルな商品が並んでいました。折角なので、フリースのベストを買って帰りました。

 これまでに聴いたマタイ受難曲

TANNOY再会(6) スピーカー・スタンドの製作

 中古で手に入れたTANNOY ⅢLZをリビングに設置するために、スピーカー・スタンドを作りました。これでスピーカーの軸が、ソファーに座ったわたしの耳と同じ高さになりました。
 素人のDIYは、なかなかたいへんです。合板は、購入したホームセンターでカットしてもらいました。組み立てはまずまずでしたが、最後の塗装で失敗。予想以上に濃い色となったうえ、塗装膜が厚くなりすぎたのか、まだらです。音響的には、ほぼ満足できたので、出来栄えの総合評価は55点としておきます。

 サブロク(90×180センチ)の12ミリ厚の合板2枚を購入。設計図を示しながらカットしてもらいました。
 ホームセンター「コーナン」のアプリをスマホにインストールしています。それを見せると10カットまで無料になります。それ以上は1カットで20円です。
 大きな木を切るときは、これに限ります。とはいえ±0.5ミリくらいの誤差は出てくるので、箱にするときは、この微妙な誤差も気になります。

 片側で14枚の大きさに切り分けてもらいました。

 サンダーにジグソー、ドリルと電動工具のオールスターで工作にかかりました。

 まず中央の柱状の部分を接着剤と木ネジで接合しました。
 この空間には必要なら、砂利か石でも詰めて、質量を増やすことを想定しています。

 上下に天板と底板をつけて、格好がついてきました。

 合板の木口には、木口用の突板のテープを張りました。
 通販サイトを見ていると、DIYの材料が何でも手に入ります。

 ベランダでワトコオイルという亜麻仁油系のオイルを塗りました。「エボニー」というカラーを選びましたが、ちょっと濃すぎました。
 刷毛塗りしましたが、何度か塗り重ねていくうちに塗膜が厚くなりすぎました。これは失敗でした。

 底板の四隅には、直径8ミリのボルト、ナット類で高さを調節できる脚をつけました。
 フローリングは微妙に傾いていて、袋ナットの締め方を調節してぐらつかないように固定しました。

 見栄えはイマイチですが、肝心の音はなかなかのものです。機会をみて、再塗装しましょう。
 早速、大好きなLPでロストロポービッチの奏でるチェロに聞きほれました。

神戸聖愛教会 「深淵なるバロックの響き」

 新神戸近くにある神戸聖愛教会で昨夜、「深淵なるバロックの響き」を聴きました。
 「サクバットを中心に17世紀初期のドイツ、オーストリアの響きを」とサブタイトルがついていました。サクバットというのはトロンボーンの原型となった金管楽器です。フランス語で、「押したり、引いたり」と言うのが語源らしいです。
 演奏終了後のバス・サクバットを手にした栗原洋介さんです。身長190センチを超える長身です。低音を出すときに腕を伸ばすと、管の長さは2メートルを越えそうです。

 こちらはちょっと小さなテノール・サクバットです。人の声に近い、木管のような優しい響きでした。

 カウンターテナーの青木洋也さん、リコーダーの高橋明日香さん、それにバイオリン、オルガンが加わりました。カウンターテナーとサクバットの3重奏はまるで三重唱。これにリコーダーが加わって四重唱、さらにバイオリン、オルガンと増えても、それぞれからテキスト(歌詞)が聞こえてくるかのようでした。

 プログラムは、17世紀の知らない作曲家の作品ばかりでした。

 当日券を買おうとしたら、前に並んでいたご婦人が「どうぞ」と余っていた招待券を1枚くださいました。ありがたく頂戴しました。

 久しぶりの土砂降りの中、車で出かけました。行きは、ちょっと道を間違えたりしましたが、帰りは雨上がりの高速を一直線で45分ほどでした。

 神戸聖愛教会
 神戸市中央区生田町1-1-27

TANNOY再会(5) エンブレムに紅をさす

 たかがエンブレム。されどエンブレムー。
 TANNOYという6文字は、わたしにとって永年の憧れでした。ⅢLZの右上には、斜めを向いたエンブレムが輝いています。ところが、寄る年波には逆らえず、色あせて(写真左下)いました。ここはピカリと金色に光ってもらわなくては困ります。紅をさして(再塗装して)、昔の容色に蘇らせました。 

 ドライバーを差し込んで、慎重にエンブレムを持ち上げました。
 エンブレムはプラスチック製で、文字の部分を塗装しているだけの、予想外にチャチなシロモノでした。
 重曹の液に漬けて油分を取り除きました。
 表面をサンドペーパーでこすり、平らにしました。 

 ホビー用の水性エナメル、パールゴールドを、平筆で塗りしました。

 余計に塗料が着いた部分は、ヤスリでこまかく修正しました。

 サランネットは、掃除機で掃除しました。

 サランネットをはめ込んだ枠をボックスから取り外して作業すれば完璧ですが、今回はとりつけたまま応急的な掃除にとどめました。
 重曹液をスプレーで散布して、汚れが浮き上がるのを待ちました。

 水洗いしてよく搾った雑巾で丹念にたたくようにして汚れを吸い取りました。
 期待したほどの清掃効果はありませんでしたが、とりあえずは完了としました。後日、ボックスの塗装とともに、再挑戦しましょう。

TANNOY再会(4) トレブルコントロールのレストア

 初恋のTANNOY ⅢLZと戯れているのが、格好の息抜きとなります。
 取り外した裏ブタには、アンプから出力された音声信号をつなぐ赤黒のターミナルと2つのツマミがついています。ツマミを動かすことで、トレブルコントロールといって、高音部分の出方を調節することができます。
 ボックスの内側に着いている箱を開けると、ツマミとつながっているロータリースイッチがあります。ここが接触不良を起こして、トラブルの原因となることが多いのです。

 1接点4回路と2接点5回路のロータリースイッチがついてます。どちらも接点の構造は堅牢そうです。
 分解は、1つのスイッチの周囲に4か所あるツメをラジオペンチで曲げるました。 

 ツメが外れると、パラりと接点部分が開きました。
 案の定、接点部分が黒ずんで汚れてました。下側に残っている接点と接していた部分には線を引いたような跡が残っていました。

 綿棒で丁寧に掃除しました。でもあまり効果がないので、電動ルーターに柔らかい金属ブラシをつけて研磨しました。 

 見事にピッカピカになりました。
 当然、4個のスイッチすべてをきれいにしました。

 ケーブルをつなぐターミナルも、輝きを失っていました。

 ケースから取り外して、これもルーターで磨きました。処理済みの右の2個は、ピカリと元の輝きを取り戻しました。

 スイッチのツマミも取り外し、塩素水につけてきれいにしました。

 すべてを組み付けて、初恋の君は洗顔完了となり、元の美しさを取り戻しました。

 付属のデータシートです。

TANNOY再会(3) ネットワークのレストア

 コンデンサーというパーツは、老朽化すると「お漏らし」したり、「抜ける」ことがよくあります。電解液が流出したり、容量が減るのです。
 TANNOYのⅢLZでも、ネットワークと呼ばれる部分に使われています。もう45年も前に製造されたスピーカーです。おかしくなってないはずがありません。ネットワークのレストアでは、第一に点検すべき課題でした。
 ネットワークは、ボックスの裏ブタの下部のプラスティック容器に収まっていました。

 4本のマイナスネジをはずすと、4隅はハトメでしっかりと固定されていました。未改造であることは明らかでした。
 電動のミニルーターでハトメのフチを削りました。
 反対側から引っ張ると、取り去ることができました。

 フタがパカリと開いて、初恋の君の心臓をのぞき込んだ心境です。
 ベークライトの基盤に端子付きのラグをハトメ締めして、ケーブルで配線されてます。
 もう少し時代が下ると、プリント基板が普及して、簡単に配線できるようになりました。しかし、今となっては、こうした手配線のほうがレストアには好都合です。

 無極性電解コンデンサーの1個を見て、びっくりしました。「お漏らし」をした証拠で、赤いキャップが膨らんでいました。おまけに、浸みだした電解液でリード線が腐食して破断していました。わたしが力を加えて切れたのか、元々切れていたかは不明ですが、こんなのは初めてお目にかかりました。

 コンデンサーも含めてすべてのオリジナル・パーツがTANNOYの音を構成しているという声も聞きます。パーツを替えると、「TANNOYの音ではなくなる」と。
 そんなこともいっておれず、電解コンデンサー2個とフィルムコンデンサー1個(片チャンネルあたり)を半田ごてで取り去りました。 

 取り外した電解コンデンサー(青色)は、「74 03」「73 24」と製造年らしき印刷がありました。74年第3週、73年第24週に製造されたパーツということでしょう。
 ロゴに描かれている「ERIE」から、英国のメーカー製のようです。
 1974年にTANNOYの工場が火事になり、以後はスピーカーのコーン紙は西ドイツ製となりました。型番もMonitorGoldからHPDに変わりました。わたしのⅢLZは、コンデンサーの製造年からも、1974年と特定できたようです。

 ネットワークの回路図です。「閑人氏のホームページ」から拝借してきました。他にもⅢLZについて書かれたHPは多く、教えられました。
 この設計図では、LPF(ロー・パス・フィルター)のコンデンサー容量は25μF(マイクロ・ファラッド)と書かれていますが、わたしの後期型は22μFに変更されていました。

Multi-function Tester TC1」で取り外したコンデンサーの容量を測定しました。
 8μFと表記されたコンデンサーは、なんと80.2μFと表示されました。驚くことに規定値の10倍です。コンデンサー容量は普通品では±10%程度の誤差はあたり前ですが、これではひどすぎます。それにしても、容量が10倍に膨れたコンデンサーなんて、初めての体験でした。

 取り外した6個のコンデンサーの値を量りました。
 設計値が3.3μFのフィルムコンデンサーは異常がないようでした。

 容量が大幅に狂っていた電解コンデンサーは、ネット通販で購入した「JantzenAudio」の無極性電解コンデンサーと交換しました。デンマーク製のコンデンサーですが、あまりに小さいのにびっくりしました。価格も安かったのでこれで大丈夫かなとちょっと気になります。様子を見て再度の取り換えも検討したいと思います。
 フィルムコンデンサーも、2個は同容量が手持ちにあったので、念のために交換しました。

 レストア前(上)と、後のネットワークです。これで正常な音になってくれるでしょうか。早く音出ししたいところですが、まだまだレストアした個所もあるので、裏フタは開けたままにしておきます。

TANNOY再会(2) MonitorGOLDとご対面

 長引いた風邪の最後には、中耳炎になってしまいました。折角のTANNOYの音も、わたしの左耳の不調でうまく聞こえません。
 せめては目から確認しようと、初恋の君がまとっている服を脱がせました。
 スピーカーボックスの裏ブタを外すと、まぎれもないTANNOYのMonitorGOLDが姿を表しました。磁気回路のキャップが金色に塗装されているからGOLDです。

 裏ブタは10個の木ネジで固定されていました。Sフックを差し込んで引っ張ると、外れました。

 デュアルコンセントリックとは、同軸2ウェイ・スピーカーのTANNOYの呼び名です。ウーハー(低音部)の中心にツイーター(高音部)が配置されていて、音の位相が完全に一致するように作られているのが特徴です。
 TANNOYはわたしが生まれる以前の1948年からこの形式のスピーカーを作り続け、BLACK → SILVER → RED → GOLD → HPDとモデルチェンジしてきました。
 わたしはかつて、HPD295という3LZの後継モデルをもっていて、国産の大きなボックスにいれて永年、愛用していました。11年前に、現用のDALIのRoyalTowerというスピーカーに買い替えて、一度はさようならをした経緯がありました。

 コーン紙もエッジもなかなかきれいで安心しました。

 誇らしげに「TANNOY ENGLAND」と刻印(?)されています。

 シリアルもボックス裏面のタグに手書きされていたの一致しました。
 ただし2つの数字はフォントが違います。「3」の違いが明確です。

 鋳型は同一だったようで、同じ個所に同じ格好の盛り上がり傷がついていました。

 プラグを外すと、真っ白に変色していました。メスと両方、さび落としが必要です。

 ネットワークが固定された裏蓋には、どういうわけか黒い鉛筆で線が引かれていました。防音材の下にもまっすぐに伸びているので、製造工程で防音材固定の目印にしたのでしょうか。それにしては、ありあわせの木片かなにかを定規にしたような、雑な線引きです。これもまた英国製ということでしょうか。

TANNOY再会(1) 初恋のⅢLZ 

 TANNOY(タンノイ)のスピーカー、ⅢLZがわが家にやって来ました。わたし自身へのお年玉といったところです。
 手に入れたのは、ⅢLZの2代目で、MonitorGOLDといスピカーユニットが内蔵されています。1967~74年の約7年間、英国・TANNOYで製造され、発売されていました。わたしがオーディオに興味を抱いた学生時代から新聞社に就職した時代とオーバーラップします。
 剣豪作家の五味康祐氏が「西方の音」として絶賛した同じタンノイのオートグラフを「女王」とすれば、こちらはその一族の末端に位置するエントリー機でした。それでも当時の初任給1カ月分が吹っ飛ぶほどで、ちょっと手の届かない「初恋の君」でした。
 半世紀が過ぎて、容姿はそれなりになってましたが、やっと手に入れた喜びに包まれました。 

 今でも人気機種で、中古オーディオ店では、発売当初の2倍はするような値札がついています。
 ヤフオク(ヤフー・オークション)で、リーズナブルなのが出品されていたので、思い切って落札しました。KLMでスペイン往復チケットが買えるほどでしたが、そちらの予定はいつになってもたたないので乗り換えました。
 飛脚便が運んできてくれました。2個で25キロほど。ズシリと重たいです。プチプチで厳重に梱包してありました。

 「ネットに破れ、箱に傷あり」ということでしたが、予想したほど悪い品ではありませんでした。憧れのⅢLZとの対面に、ホッとした瞬間でした。

 エンブレムは輝きを失っていますが、まぎれもなくTANNOYです。いずれは磨いて、化粧をし直します。
 恥ずかしながらブランドのバッグや装飾品を、これみよがしに持ち歩いているおネエさんとまったく同じ心境です。

 裏面です。高音部を調整する2つのつまみと、コネクターがついています。古いコネクターで、細いケーブルしかはさまりません。

 シリアル(製造番号)が手書きされたタグが無造作にステップルで留められています。マニアにとっては、本物の証明として貴重な一品です。

 ⅢLZは元来はスピーカーユニットの名前で、2代目のユニットのは正式名称はタグに書かれているように「LSU/HF/3LZG/8U」といいます。
 これをタンノイ製の密閉型キャビネットに収めたものが通称のⅢLZとして人気を得ました。英国製のオリジナルの箱に入っているのがいい音がするといわれています。

 肝心の音です。最初にLPでチャイコフスキーの弦楽セレナーデを音出ししたときは、スカのような音にびっくりしました。こんなはずではなかったと。でも何枚かLPを聴き続けていると、音がこなれてきました。これなら磨けばなんとかなりそうと、一安心しました。
 今後の課題は多いです。
 ・ネットワークに使われているコンデンサーの検査、交換
 ・サランネットの補修、清掃。場合によっては張替え
 ・箱の補修、再塗装
 ・スピーカー・スタンドの製作
 することはたくさんあります。時間をかけて、ゆっくりと初恋の君と付き合っていきます。

京都・河原町 「西冨家コロッケ店 」のランチプレート&コロッケ2つ

 京都まで出かけました。高島屋京都店で開かれているレコードフェア京都をのぞくのが目的でした。その前に、河原町松原まで歩いて昼飯にしました。
 FBグループで知った「西冨家コロッケ店 」です。コロッケのテークアウェーの店ですが、イートインのメニューは「ランチプレート&コロッケ2つ」(1280円)のみ。7種のコロッケから、2つを選びます。
 「奈良漬とレモンピール」です。コロッケの具材とは思えないものが入ってます。カリッとした衣と、柔らかいマッシュポテトに控えめにアクセントをつけていました。こんなコロッケもあるのですね。

 もう1つは、ガリシアという単語に飛びついた「タコのガリシア風」。ガリシアはスペイン北西部のサンティアゴ巡礼の聖地、サンティアゴ・デ・コンポステーラがあるところです。プルポというタコ料理が名物です。
 なるほど、コロッケなのにたこ焼きを食べているような不思議な食感です。ピリッとしていて、ワインにあいそうです。 

 プレートサラダがすごい。スモークサーモンに生ハム、サラミ、アボガド・ディップに野菜類多数、マッシュルーム、玉子、レンズ豆、パンといった具合です。

 セットで100円引きのドリンクとともに、ゆっくりと味わいました。

 隣に座ったお嬢さん2人も、インスタ映えする料理を前にスマホをかざしていました。

 コロッケは7種。プレーン、バジル、ブルーチーズ、牛すじとカレースパイス、サーモン&ディルと、わたしが食べた2つです。

 西冨家コロッケ店
 075-202-9837
 京都市下京区河原町松原下ル植松町735

 高島屋でネスプレッソのカートリッジを買い、おいしい1杯を試飲しました。

 レコードフェア京都は、予想外に客は少なく、ゆっくりと選びました。クラシックのコーナーだけでも膨大なLPが、バラバラに並んでいました。1枚づつ見ていくだけでかなりの労力でしたが、楽しい時間でした。
 買ったのは4枚で2000円ほどでした。マーラーの交響詩「大地の歌」は、学生時代によく聴いた思い出の1枚です。ジャケットも懐かしいです。

 食料品売り場で「はれま」のちりめん山椒を遅くなったお歳暮で送る手配をして、向かったのは錦市場の麩の専門店「麩嘉」です。
 正月のお雑煮に使う白味噌を買いました。茶道三千家ご用達の「山利商店」の白味噌です。
 なんと5個も買ったので、合わせて2.5キロ。肩のザックがズシリと重たかったです。
 桂にある「中村軒」の雑煮を食べて、使っている白味噌を教えてもらって以来、ここで調達しています。宮川町にある山利の店に行こうかと思いましたが、日曜休業でした。

 錦市場は、年末の買い物客というよりは、外人も含めた観光客でにぎわっていました。

「Multi-function Tester TC1」でEQアンプを調整する

 抵抗やコンデンサーの値を簡単に測定できる「Multi-function Tester TC1」です。
 これをゲットしたのは、わたしのオール真空管で構成されたオーディオ・システムのうちのEQ(イコライザー)アンプのある部分を測定したかったのです。
 EQアンプは、RIAAという規格に従って高音を強く、低音を弱めて録音してあるレコード(LP)に、逆特性のフィルターをかけて元の音に戻すのが役目です。そのフィルターが、抵抗とコンデンサーで成り立っています。
 EQアンプのカバーを開けて、あるコンデンサーの値を量りました。5566pF(ピコ・ファラッド)と表示されました。

 フィルターを構成しているのは抵抗3個とコンデンサー2個です。測定したコンデンサーは0.0056μF(マイクロ・ファラッド)=5600pFあるべき部分でした。34pFくらいは誤差のうちです。これがあまりに設計値と違っていると、周波数特性にも影響が出ます。

 抵抗は、1本30円と安価なパーツです。1kΩ、47kΩ、680kΩで許容誤差が±1%のものをそれぞれ10個づつ購入していました。
 テスターと抵抗の誤差が知りたくて、それぞれを測定しました。思っていた以上に誤差が少なくてびっくりしました。
 同じ抵抗を2度測定すると、そのたびに微妙に値が変化します。測定器としての命の絶対値の較正も、厳密になされていないでしょう。それでも、お遊びとしては十分に評価できる仕上がりでしょう。

 EQアンプの抵抗を、設計値に近いものと取り替えました。47kΩはすべて低めだったので、手持ちの抵抗から510Ωのものを探して、シリーズに接続しました。

 コンデンサーも、39pFというのをパラレルに接続しておきました。
 これで周波数特性は、設計値に近づいたはずです。精神安定剤としたは十分でした。

 EQアンプを元に戻してLPを楽しみました。
 ムスティスラフ・ロストロポーヴィッチのヴィオラが朗々と響くシューベルトのアルペジョーネ・ソナタです。EQアンプを触ったことによる差異は、わたしの耳ではわかるはずもありませんでした。