オ・セブレイロを出発してしばらく歩くともう一つのサン・ロケ峠を越えました。
強風に耐えて帽子を押さえる巡礼者の像が立ってます。
きょうは曇り空で肌寒い一日でした。
朝焼けが東の空を染めました。雲海が広がります。
でも日の出はなく、雲間からちょっと顔を見せただけです。
ガリシア州に入って、急に天候が変わったようです。
雲海の下に降りてくると、視界がありません。
牛たちは、自分の時間をのんびりと過ごしていました。
オスピタル・デ・ラ・コンデサのバルで朝食を食べていました。ガリシア州に入ると、トーストしたパンにお目にかかるようになっていました。そこに長いマントを翻した中世風のいでたちのペルグリーノが入ってきました。横にいたミスター(Mr.)ルミックスは即座にカウンターの向こうに回り込み、クレデンシャルにスタンプを押す男を撮影してました。
「どうだい、よく写っているだろう」と、ミスターはわたしに撮影したばかりのモニター画像を見せて自慢げでした。座ったままだったわたしの写真(上)とは雲泥の差でした。
ミスターが胸から下げている大きなカメラは、日本製のLUMIX(Panasonicのカメラ・ブランド)ミラーレス一眼のフラグシップ機でした。 「これがいま、ドイツで手に入る最高級のカメラだよ」と胸を張っていました。かのライカなんかを生んだ国のお方が、何をおっしゃるのかと思いながらも、日本人としてまんざらではありませんでした。
ミスターとはここ数日、何度も顔を会わせてました。大きな栗の木の下で休んでいると、ミスターが近づいてきて「写してやるよ」と私の小さなコンデジ(コンパクト・デジタル・カメラ)を受け取って記念撮影してくれたこともありました。大きくて重たいカメラを胸にしながらも、ひょいひょいと身軽なこなしで巡礼路を右に左に動き回り、たくさんの写真を撮影していました。背には、小さなザックしかありませんでした。大きな荷物は、コモドに頼んで運搬してもらっていたのでしょう。
そいえば、似顔絵師と名づけたKさんも同じでした。オリンパスのミラーレスにデカいプロ仕様のズームレンズをつけていました。
カミーノにどんなカメラを持っていくかは、わたしにとって大きな迷いでした。ニコンのデジタル一眼は重たすぎて、もはや選択外でした。LUMIXのGM1というかわいいミラーレス一眼は気に入ってましたが、それでも中途半端にかさばり、両手でウォーキング・ポールを握ると、もって行き場に困りました。結局は、前回のカミーノでも使ったコンデジに落ち着きました。
新たに用意したのは、CANONのG9Xという大型センサー搭載の機種でした。これだと胸ポケットに入れることができました。わたしは、小さなバッグを前抱きにして、その中にガイドブックとともに放り込んでいました。そのできばえについては、このブログでご覧になっている通りです。
もう1台、用意したのはスマホのカメラです。わたしのスマホは防水仕様だったので、雨の日はこちらを使う予定でした。幸い、その雨には降られることはなく、出番はありませんでした。
カミーノでは、あちこちでみんなが記念撮影していました。でもそのカメラで一番多かったのは、実はスマホでした。最近のスマホのカメラは、びっくりするほど優秀になっていて、このお手軽さに勝るものはないかもしれません。
わたしは帰国後、LUMIXのGX7MK2というミラーレスをゲット。何本かの交換レンズの中から20㎜、F1.7というパンケーキのようにかわいい単焦点レンズを常用しています。スマホのカメラを使うことはありません。
【追記 2021/06】
LUMIX GX7MK2は2台目のボディーを使い続けています。レンズはライカブランドのVario-Elmarit 12-60というズームです。少々デカくて重たいですが、すっかり慣れてしまいました。山を歩くときも両手でポールを握り、カメラは首にぶら下げています。最近の写真は、わたしのブログ「『どたぐつ』をはいて・・・」の方にアップしています。
オ・セブレイロの峠は越えた。その後もしばらくはアップダウンを繰り返し、やがてトリアカステーラに向けて下っていく20kmほどのステージ。
サン・ロケ峠には、強風に帽子を押さえて耐える「サン・ロケ峠の巡礼所者」が。ヒョウタンをぶらさげた杖の上部はなくなっていた。
追い越されるのもいいものだ。左足首はやはり痛い。ゆっくりとマイペースで歩いた。
トリアカステーラのアルベルゲで食べた夕食。隣のスーパーメルカドで買ってきたレトルト・パスタの上に、トマト味のサーディンをぶちまけた。予想外にうまかった。
続きを読む Paso a paso Dos 29日目=9/22 下り道をゆっくりと